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名スピーチの翻訳に挑戦(1) 〜技あり! 機械翻訳達人への道

機械翻訳の精度は飛躍的に向上。でも、よく読むと「あれれ?」な部分も。ちょっとしたコツで見違えるほど自然な日本語に直せる技を紹介します。

【今回の例文】

When I was 17, I read a quote that went something like: “If you live each day as if it was your last, someday you’ll most certainly be right.” It made an impression on me, and since then, for the past 33 years, I have looked in the mirror every morning and asked myself: “If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?” And whenever the answer has been “No” for too many days in a row, I know I need to change something.(中略)Stay Hungry. Stay Foolish.

(出典:スティーブ・ジョブズ、2005年スタンフォード大学卒業式にて)

【機械翻訳】

17歳の時、こんな言葉を読みました。”一日一日を最後の日のように生きれば、いつか必ずその通りになる “というものでした。その言葉が印象的で、それ以来33年間、私は毎朝鏡を見て自分に問いかけてきました。「今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることをやりたいだろうか」と。そして、その答えが何日も連続して “No “であったとき、私は何かを変えなければならないと思うのです。(中略)渇望する愚か者であれ。

(DeepL/Google翻訳)

【修正後】

私は17歳の時、こんな言葉に出合いました。「今日が人生で最後の日だと思いながら、毎日を生きてみよう。いつか必ず、その日は訪れるのだから」。この一節が胸に深く刻まれ、それ以来33年間、毎朝、鏡の中の自分に向かって問いかけています。「もし、今日が人生最後の日だとしても、私は今日これからやるはずのことをやりたいだろうか?」と。その答えが何日も続いて「ノー」なら、何かを変えなければならない、ということなのです。(中略)何事にも貪欲であれ。人生は学びの連続だ。


今回から、歴史に残る名スピーチを取り上げます。まずはアップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏のスピーチに挑戦。「伝説のスピーチ」とも呼ばれ、耳にしたことがある人も多いでしょう。自分が人生のどのステージにいても、胸にグッと来るものがあるはずです。

今回のポイント

① スピーチはわかりやすさが命

「If you live each day as if it was your last, someday you’ll most certainly be right.」は、動画で見るとわかりますが、会場では笑いが起こっています。原文のトーンは少しユーモラス。「今日こそ人生最後の日だ、と思いながら毎日を過ごしてごらん。いつか必ず、その予想が当たる日が来るよ」のようなニュアンスです。日本語ではスピーチらしく例文のように意訳しました。スピーチは、1度聞いただけで意味がわかるように、正確さよりもわかりやすさを優先しましょう。

② 有名フレーズ、あなたならどう訳す?

「Stay Hungry. Stay Foolish.」は『The Whole Earth Catalog』からの引用です。foolishは「愚か」としてしまうと、ニュアンスが微妙に変わってしまいます。このスピーチでジョブズ氏は、これから社会に巣立つ学生たちに向けて「学び続ける大切さ」を説いています。自身の人生経験を踏まえ、「現状に甘んじず、固定観念や他者の評価を取り払い、前へ突き進もう」と訴えかけるジョブズ氏の思いを汲み取って、自分なりに日本語に置き換えてみてください。

シュレーゲル 京 希伊子
翻訳家・通訳・ライター。東京都出身。1992年より2年間、在シアトル日本国総領事館に勤務。日本へ帰国後は、政党本部および米国大使館政治部にて、外交政策の調査・立案やスピーチ原稿の執筆を担当した。キヤノン元社長の個人秘書、国連大学ゼロエミッションフォーラム事務局長補佐を経て、フリーに転身。2014年より再びシアトルに拠点を移し、バイリンガルの一人娘を育てながら、ITマーケティングを中心に幅広い分野で翻訳・通訳業務を手がける。2024年以降は、ドラマや映画などの映像翻訳(日⇔英)にも活動の幅を広げている。主な共訳書に、金持ち父さんのアドバイザーシリーズ『資産はタックスフリーで作る』、『マクドナルド 7つの成功原則』、『よい環境規制は企業を強くする―ポーター教授の仮説を検証する―』などがある。高校時代にAFS交換留学生としてマサチューセッツ州で1年間ホームステイを経験。ジョージア、ニューヨーク、インディアナ、フロリダでの居住経験もあり、米国社会に精通。趣味はテニス、スキー、旅行、芸術鑑賞、読書、料理。TOEIC975点、英語検定1級、漢字検定2級、環境社会(eco)検定。