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サイエンス系の翻訳のコツとは? 〜技あり! 機械翻訳達人への道

機械翻訳の精度は飛躍的に向上。でも、よく読むと「あれれ?」な部分も。ちょっとしたコツで見違えるほど自然な日本語に直せる技を紹介します。

【今回の例文】

The Gut-brain Axis

Our actual brain controls most of the functions in our body by sending direct messages via our central nervous system (CNS) to many of our organs and limbs.

But your gut has a mind of its own, made up of its very own nervous system called the enteric nervous system (ENS). Scientists often refer to this as our “second brain.” This system is in constant communication with our CNS, sending messages back and forth.

Many of these conversations consist of cognitive and emotional messages being transmitted back and forth. That’s why when you’ve misplaced your wallet or your keys, you might feel a sense of anxiety that branches straight down into your gut.

(出典:Viomeホームページ)

【機械翻訳】

腸-脳軸

私たちの脳は、中枢神経系(CNS)を介して多くの臓器や手足に直接メッセージを送り、体内のほとんどの機能を制御しています。
しかし、腸には独自の意思があり、腸管神経系(ENS)と呼ばれる独自の神経系で構成されています。科学者はしばしば、これを私たちの「第二の脳」と呼んでいます。このシステムは、中枢神経系と常に連絡を取り合い、メッセージをやり取りしています。
これらの会話の多くは、認知的・感情的なメッセージのやり取りで構成されています。財布や鍵をなくしたとき、腸に真っすぐ届くような不安感を感じるのはそのためです。

(DeepL翻訳)

【修正後】

腸と脳の関係

人間の脳は、中枢神経系(CNS)を介して多くの臓器や手足に直接メッセージを送り、体の機能のほとんどをコントロールしています。
一方で、腸も独自のシステムとして腸管神経系(ENS)を持ち、科学者はこれを「第二の脳」と呼ぶこともあります。ENSはCNSと密接に関連しており、盛んにシグナルを送り合っています。
この2つの神経系で交わされるやり取りは、主に認知や感情にまつわる分野です。そのため、財布や鍵をどこかに置き忘れたりすると、不安な気持ちがそのまま腸に伝わってしまうこともあるのです。


今回は、サイエンス系の医療分野の翻訳を取り上げてみました。一般向けに書かれた文章ですので、やはり読みやすく自然な日本語に訳す必要があります。

今回のポイント

1. 見出しは内容を踏まえて意訳

機械翻訳のように「腸-脳軸」と直訳してしまうと、意味がわかりませんね。本文を読むと、腸と脳の密接な関連性を述べていますので、厳密には「脳腸相関」となりますが、シンプルに「腸と脳の関係」で良いでしょう。

2. gutの訳し方

gutには、「内臓」のほかに、「直感」や「本能」などの意味も(日本語の「腑に落ちる」と同じ使い方です)。英語では「My gut tells me…」のように、「自分の直感ではXXだと感じる」という言い方をよくしますが、ここでは文字通り「腸」と訳します。

3. 意外と奥深いwhen

whenは自動的に「~時」と訳しがちですが、「~したら」や「~すると」のように、ifに近い意味合いで訳せることがあり、表現のバリエーションを広げられます。

まとめ

腸内環境への関心が高まる昨今、「腸活」という言葉も定着しましたね。皆さんも腸をケアしながら、夏を元気に乗り切りましょう。

シュレーゲル 京 希伊子
翻訳家・通訳・ライター。東京都出身。1992年より2年間、在シアトル日本国総領事館に勤務。日本へ帰国後は、政党本部および米国大使館政治部にて、外交政策の調査・立案やスピーチ原稿の執筆を担当した。キヤノン元社長の個人秘書、国連大学ゼロエミッションフォーラム事務局長補佐を経て、フリーに転身。2014年より再びシアトルに拠点を移し、バイリンガルの一人娘を育てながら、ITマーケティングを中心に幅広い分野で翻訳・通訳業務を手がける。2024年以降は、ドラマや映画などの映像翻訳(日⇔英)にも活動の幅を広げている。主な共訳書に、金持ち父さんのアドバイザーシリーズ『資産はタックスフリーで作る』、『マクドナルド 7つの成功原則』、『よい環境規制は企業を強くする―ポーター教授の仮説を検証する―』などがある。高校時代にAFS交換留学生としてマサチューセッツ州で1年間ホームステイを経験。ジョージア、ニューヨーク、インディアナ、フロリダでの居住経験もあり、米国社会に精通。趣味はテニス、スキー、旅行、芸術鑑賞、読書、料理。TOEIC975点、英語検定1級、漢字検定2級、環境社会(eco)検定。