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アメリカでの大学編入

日本とは全く異なるアメリカの大学事情を専門家がわかりやすく解説!
現地校生にもアメリカ留学希望者にも役立つ情報がたくさん。

アメリカでの大学編入

クレジット制ならではの編入システム

大学から大学へ籍を移す編入学は日本ではあまりなじみがありませんが、アメリカの大学では一般的に行われています。それは2年制大学から4年制大学への編入だけでなく、2年制大学から2年制大学、4年制大学から4年制大学、4年制大学から2年制大学と、それぞれ編入が可能です。アメリカの大学はクレジット制であるため、編入すると何年生になるというより、何クレジット移行すればあと残り何クレジット取得で卒業できる、という見方をします。

大学にはクオーター制とセメスター制があり、どちらの大学に編入してもクレジットは調節されます。クオーター制は夏学期を含めない場合、1年に3学期あります。通常9月から新学期が始まり、6月までです。1学期は約3か月あり、平均3クラスほど取ると、1クラス5クレジットの計算で15クレジット、1年(3学期)では45クレジットになる計算です。2年制大学での準学士号は90クレジット、4年制大学の学士号は180クレジットで取得できます。

セメスター制では、夏学期を含めない場合、1年で2学期あります。通常8月から新学期が始まり、5月に終了。1学期は約4、5カ月になります。平均5クラスほど取ると、1クラス3クレジットの計算で1学期に15クレジット、1年(2学期)で30クレジットを得られます。そして、2年制大学での準学士号は60クレジット、4年制大学の学士号は120クレジットで取得がかないます。

2年制(準学士号) 4年制(学士号)
クオーター制 90クレジット 180クレジット
セメスター制 60クレジット 120クレジット

クレジット移行の注意点

クオーター制からセメスター制の大学へ編入しても、多くクレジット移行ができて早く卒業できる、ということにはなりません。逆にセメスター制からクオーター制の大学へ編入したところで卒業が遅くなるということもありません。クレジット数は編入先の大学の制度に合わせて変更されます。

編入時には、卒業に必要なクレジット数だけでなく、卒業に必要なクラスを履修しているかをチェックし、クレジットを移行します。専攻によって履修すべきクラスは変わってきますが、一般的に最初の2年間は一般教養クラス(カレッジ英語、数学、生物学、化学、社会学など選択肢は豊富)を取ります。ある程度のカレッジのクレジットがないと編入を受け付けないという大学もあり、希望する大学の編入条件を確認する必要があります。

編入と卒業の時期

学期ごとに編入ができる大学が多いのですが、年に1回、秋学期のみ入学可能という大学もあります。まず、希望の大学と学部を選び、その大学の編入条件や出願締め切り日をチェックしましょう。そして、必要な出願書類をそろえていきます。締め切り日までに出願書類を提出したら、編入許可の返事を待ちます。編入許可後、在籍している大学含め、編入手続きを開始します。

日本の大学からアメリカの大学への編入も可能です。クレジットがどれだけ認めてもらえるかを調べるため、英語での成績証明書が必要になります。シラバス(コース概要)も英語でそろえましょう。編入先の大学では、そうした書類から大学で提供しているクラスと内容が同じかを確認し、どのクレジットが移行されるかを判断します。どのくらいのクレジットが移行されたかを見て、あと何クレジットで卒業できるかがわかります。それを踏まえて、自分の判断で夏学期もクラス履修をしたり、学期ごとに1クラス多く履修したりもでき、卒業を早めることが可能になります。つまり、卒業時期を自分で決め、クラス履修を調節できるのです。

最近ではアメリカの2年制大学から日本の4年制大学への編入も多くなってきています。アメリカの準学士号を取得した学生が日本の大学の3年次へ編入し、学士号を取得しています。編入生を受け入れる日本の大学が多くなり、学生にとっての選択肢が広がるのはうれしいことですね。

2011年よりアソシエイト・ディレクターとしてエドモンズ・カレッジにて勤務。1999年に夫、1歳半の息子とアメリカ移住。子育てに専念した後、息子の中学入学を機に以前から興味のあった教育分野へ。現在は入学から進路、イミグレーションのアドバイザーを務める傍ら、日本文化クラブのアドバイザーとして日本文化を学内や地域に広めようと学生たちと共に活動中。