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留学生の学費節約術 〜アメリカの大学を知ろう

アメリカの大学を知ろう

日本とは全く異なるアメリカの大学事情を専門家がわかりやすく解説!
現地校生にもアメリカ留学希望者にも役立つ情報がたくさん。

留学生の学費節約術

お金がかかるアメリカの大学進学

大学進学を考える時に頭をよぎるのはお金の問題です。高騰する学費に頭を悩ませている家庭は多いことでしょう。州外の場合、公立大学でも私立大学と同じくらいの学費と生活費を要するので、かなりの金額になります。現地の学生の場合、スカラシップ(奨学金)を含むファイナンシャル・エイドなど、現地の経済支援プログラムが充実しています。

では、留学生の場合はどうでしょう。現地のファイナンシャル・エイドは対象になりません。そもそも、個人で経済面をカバーできる証明をしなければ学生ビザが下りないので、渡米前にある程度の金額を用意しておく必要があります。留学生がなるべく安くアメリカの大学で学士号を取得できる方法はあるのでしょうか。

必ずしも4年制大学から始めなくてOK

アメリカでは、公立の2年制大学から始めて4年制大学に編入し、学士号を取得するケースも多く見られます。そのメリットは、4年制大学の約1/3という学費の安さ。

公立大学の場合、2年制大学でも4年制大学でも、州民か州外民かで授業料が違ってきます。留学生は州外民の扱いとなり、高い授業料を支払わなければなりません。学費と生活費(住居や教材など含む)を合わせて、公立2年制大学は平均して1年で2万ドル、4年制大学は平均して1年で6万ドルほどかかります。そうすると、初めから4年制大学へ入学した場合は4年間の学費と生活費の合計が24万ドルですが、 2年制大学から4年制大学へ編入した場合はそれが16万ドルになり、8万ドルほど節約できます。

このコロナ禍で大学もオンライン授業を提供しているところがほとんどなので、日本でオンライン受講を選択すると授業料だけの支払いで良く、アメリカでの生活費の節約になります。

留学生でもスカラシップを受け取れる?

よく聞かれる質問に、「留学生でもスカラシップはもらえますか?」というものがあります。日本での奨学金は貸与型が一般的で、借りると返済しなくてはいけないものがほとんどのようですが、アメリカでは返済不要の給付型が主流です。ここでは区別しやすいように、アメリカ式の返済不要の奨学金をスカラシップと呼ぶことにします。

前述の通り、学生ビザが下りる条件のひとつとして、学費と生活費が支払えるだけの経済力の証明が必要なため、留学生は「スカラシップをもらわなくても留学できる経済環境にある」と、思われてしまいがちです。しかし、ぎりぎりで頑張っている学生たちも多いのが現実です。

そんな留学生にうれしい、留学生向けのスカラシップも存在します。大学によっては提供している場合があるので、必ずチェックしてみましょう。スカラシップはアプリケーションの受け付けが始まったらすぐに応募するのがコツ。アプリケーションが届いた順にスカラシップを付ける大学もあり、有利になるケースが考えられるからです。

今はコロナ禍の経済状況を考慮し、学生に対して授業料の割り引きをしている大学も。エドモンズ・カレッジでは新留学生に1学期につき500ドルの授業料ディスカウントを2学期間実施しています。留学生向けスカラシップは新入生で1,000ドル、在学生は毎学期300ドルの提供があります。

使えるスカラシップはまだまだある!

留学生限定という制限のないアカデミック・スカラシップやアスリート・スカラシップも利用できます。アカデミック・スカラシップは、成績が良ければ良いほど高額をもらうことが可能です。スカラシップを提供している大学は多く、金額はさまざま。スポーツをしている場合、実績があればアスリート・スカラシップをもらえるチャンスもあります。2年制大学からチームに所属していれば、スカウトマンに直接見てもらったり、自分で交渉したりできるので、アスリート・スカラシップをもらえる機会が増えます。全額支給の場合と部分的支給の場合がありますが、アカデミック・スカラシップとアスリート・スカラシップの両方をもらうことも可能。スポーツと勉強の両方で実績を残すと、より獲得しやすくなります。

2年制大学から始めた場合、4年制大学編入の際にもスカラシップを取得できる機会があり、コストを抑えながらの学士号取得が可能になります。

2011年よりアソシエイト・ディレクターとしてエドモンズ・カレッジにて勤務。1999年に夫、1歳半の息子とアメリカ移住。子育てに専念した後、息子の中学入学を機に以前から興味のあった教育分野へ。現在は入学から進路、イミグレーションのアドバイザーを務める傍ら、日本文化クラブのアドバイザーとして日本文化を学内や地域に広めようと学生たちと共に活動中。