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アメリカの大学で注意すべき「プレジャリズム」とは

アメリカの大学を知ろう

日本とは全く異なるアメリカの大学事情を専門家がわかりやすく解説!
現地校生にもアメリカ留学希望者にも役立つ情報がたくさん。

アメリカの大学で注意すべき「プレジャリズム」とは

大学では不正行為に処罰も

アメリカの大学ではプレジャリズム(Plagiarism)と呼ばれる盗用、盗作などの不正行為について、かなり厳しく監視されています。学生は論文などのレポートを書く課題が多いので、厳重に注意しないといけないのですが、留学生にとってはあまりなじみがなく、知らずにプレジャリズム行為をしてしまい、処罰されるケースが見られます。何度もプレジャリズム行為をしてしまうと、最悪の場合は退学になり、学生ビザで勉強をしている留学生ですと、強制送還になる可能性も出てきます。

では、プレジャリズムとは、具体的にどういう行為を指すのでしょうか。エドモンズ・カレッジのウェブサイトを参考に下記のようにまとめてみました

•他人の文章やアイデアを引用表示なしで使用した場合
•以前の論文で使った自分の文章やアイデアを引用表示なしで使用した場合
•他人が書いた論文を自分の論文として提出した場合(購入した場合でも不可)
•写真やイメージ、チャート、グラフなどを引用表示なしで使用した場合
•上記のことを知らなかったとしてもそれを行った場合

たとえば、リサーチペーパーの宿題をしている時に見つけた記事を、そのままコピー&ペーストして自分の文章の中に少しだけ引用表示なしで組み込んでみた、というのもプレジャリズムになってしまいます。前にどこかから得た情報を、あまりにも前の話でどこから得た情報だったか忘れてしまい、自分の論文に引用表示なしで組み込んでみた、というのもプレジャリズムです。

プレジャリズム行為をしないために

まず、何がプレジャリズムかを知るところから始めて、どのように避けるべきなのかを見てみましょう。以下、カリフォルニア大学デービス校によるプレジャリズムの避け方のガイドラインは大変参考になります。

•リサーチをしている時に参考文献は必ず引用表示できるように情報についてのメモを取る。
•ドラフトの状態から常に引用表示を記載しておく。論文を書き終わった後に付け足そうとすると、忘れてしまったり間違った引用を提示してしまったりする可能性も。
•自分のアイデアや言葉を使うようにすること。自分の考えをまとめ、言葉にしていくことによって、ライティングのスキルもアップする。
•他人のアイデアや情報を自分の言葉に言い換えたとしても、必ず引用表示を。
•他人の論文を少し言葉の言い回しを変えて自分の論文として提出することはできない。
•タダで使える文献はないと心得て、インターネット上で見つけた情報だとしても、必ず引用表示を付ける。
•誰もが知っている事実と勝手に判断せずに、引用表示を常に心がける。
•プレジャリズムとは何かを知り、引用表示の仕方を学ぶことが大切。

引用表示を付ける方法

引用表示はMLAスタイルやAPAスタイル、CSEスタイルなど、種類がいろいろあり、クラスによって違うので教授の指示に従ってください。以下はMLAスタイルの引用表示の例になります。

なかなか難しいこともあるかと思いますが、論文は引用表示含め、書き方に慣れていく必要があります。わからないことがある場合は、しっかりと質問をして確認していきましょう。

2011年よりアソシエイト・ディレクターとしてエドモンズ・カレッジにて勤務。1999年に夫、1歳半の息子とアメリカ移住。子育てに専念した後、息子の中学入学を機に以前から興味のあった教育分野へ。現在は入学から進路、イミグレーションのアドバイザーを務める傍ら、日本文化クラブのアドバイザーとして日本文化を学内や地域に広めようと学生たちと共に活動中。