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コロナ禍でのオンライン授業

日本とは全く異なるアメリカの大学事情を専門家がわかりやすく解説!
現地校生にもアメリカ留学希望者にも役立つ情報がたくさん。

コロナ禍でのオンライン授業

大学生活の全てがオンラインに

新型コロナウイルス感染拡大により世界中の多くの国で人との接触を避けるべき状況が続き、教育の場も大きな影響を受けています。春学期から人が密集するクラスルームでの対面授業はキャンセルされ、オンライン授業へ変更になりました。この秋学期からの新入生も、オンラインでの新入生オリエンテーションに始まり、オンラインでプレイスメント・テストを受け、クラスもオンライン授業と、全てを画面内でこなす新しい学生生活をスタートさせています。

もちろん、留学生にとっても大きな変化になりました。通常は渡米して対面授業を受ける留学生活から、日本からでもオンライン授業を受けられることになったので、アメリカでの滞在費がかからない「オンライン留学」という選択肢ができました。

日本からオンライン留学

3月に全てのクラスのオンライン移行が決定し、日本へ帰国して日本からオンライン授業を受けることに決めたのは、エドモンズ・カレッジに留学して2年目の長岡飛奈多さんです。初めはすごく不安だったそう。「友だちと会ったり先生とコミュニケーションを取ったりすることが好きなので、部屋にこもってひとりで課題をこなすのは精神的にもつらいと思いました。先生に直接質問したりクラスメートと意見交換したりできないので、ひとりでやっていけるのか心配でした」

学期が進むにつれてオンラインでの授業にも慣れ、不安はなくなってきたと飛奈多さんは話します。 「わからないことがあると先生にすぐにメールで質問し、先生も比較的早く返信してくれました。でも直接会って質問したい派なので、先生にわかりやすく文章を書いてメールを送るのは大変でした。それでも自分の好きな時間に課題をして、空いた時間に運動したり、料理をしたり、新しいことに挑戦したりする時間が持てたのは、オンライン授業の良いところでした」

オンライン授業とひと口に言っても、決まった時間にオンラインで授業にLIVEで参加する形式と、自分の好きな時間に授業内容や講義動画などを見て課題をこなしていく形式があります。 飛奈多さんは時差のある日本からオンライン授業を受けるため、LIVE形式は選びませんでした。毎朝、学校指定のCanvasというオンライン授業用のアプリで課題をチェックしています。「課題の提出期限に余裕があると思っていたら、時差のことを忘れていて、期限ギリギリになってしまったことがありました」。ドキッとした経験から、頻繁にスケシュールをチェックするようになったそうです。

オンラインでのディスカッションもあります。トピックに合わせてアプリで期限内に自分の意見を投稿し、クラスメートの投稿に自分の考えをリプライするという形式です。LIVE形式のクラスを選ばなかったので、画面越しにビデオ通話などでディスカッションすることはなかったとのことです。

オンライン授業をスムーズに 受けるためのコツ

授業で使われる教科書は電子書籍で、Amazonや他サイトで一定期間レンタルしたり購入したりできます。クラスによっては通常の教科書が必要ですが、郵送の手配など不便が生じるため、飛奈多さんは学期初めに全て電子書籍指定のクラスに変更したそう。設定がよくわからなかったので、先生にメールで電子書籍へのログインの仕方を確認しました。

テストの受け方もオンラインだと変わってきます。テスト中のカンニングを防ぐために、パソコンのカメラを使うHonorlockというアプリを利用するのですが、飛奈多さんはそのアプリを起動させる方法に戸惑ってしまい、何度も先生にメールでやり方を聞きました。 「先生からすぐに返信があり、何とか起動させ、テストも落ち着いて受けられました。でもテクノロジーの部分では、初めの設定だけで苦労しました」

オンライン授業では、使ったことのないアプリやテクノロジーの設定が最初は必要かもしれません。飛奈多さんも設定でバタバタしてしまったそうですが、その後は大きな問題もなく、思っていたよりスムーズに課題をこなせたと感じています。わからないことがあったらすぐに聞く。これは対面授業でも言えることですが、オンライン授業の場合でも、しっかり学べる環境を作るための秘訣になります。

2011年よりアソシエイト・ディレクターとしてエドモンズ・カレッジにて勤務。1999年に夫、1歳半の息子とアメリカ移住。子育てに専念した後、息子の中学入学を機に以前から興味のあった教育分野へ。現在は入学から進路、イミグレーションのアドバイザーを務める傍ら、日本文化クラブのアドバイザーとして日本文化を学内や地域に広めようと学生たちと共に活動中。