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学位取得後にアメリカで働ける制度、OPTとは?

日本とは全く異なるアメリカの大学事情を専門家がわかりやすく解説!現地校生にもアメリカ留学希望者にも役立つ情報がたくさん。

学位取得後にアメリカで働ける制度、
OPTとは?

アメリカでの留学に就労経験をプラスして強みに

アメリカの大学に留学し、学位取得後にアメリカで働く経験も積みたい、と考えている学生にうれしいのがOPT制度です。

OPTとはOptional Practical Trainingの略で、専攻した分野と関連のある職種なら多くの場合で最長1年間(条件によって異なる)の就労が可能になります。F-1ビザを取得し、学生として1年間、フルタイムの学生として就学していたことが条件(Academic Yearを指すため、9カ月コースの修了でも同等と見なされる)です。

OPTは学位レベルごとに利用でき、より高いレベルの教育機関に入るたびにOPT期間が1年間もらえます。つまり、コミュニティー・カレッジなどで1年の職業訓練コース(Certificate)取得後に1年、2年制の準学士号取得後にまた1年、4年制へ編入して学士号取得後に1年、大学院へ進学して修士号取得後に1年と、この順番で行けば合計4年間働けるという計算になります。

学んだことを生かし、有給でも無給でもアメリカの企業で週21時間以上働くことが条件です。OPT取得後、未雇用の日数が合計90日になると、その時点でOPT期間は終了となるので注意が必要。学位取得の学期最終日の90日前から、学位取得後60日までの間に、米国移民局にOPTを申請できます。

OPT申請に必要な書類は以下になります。

大学で勉強したことを 仕事現場で直接生かせる

エドモンズ・カレッジにて準学士号を取得後、OPTを利用してシータック空港の日本航空(JAL)グランドスタッフとして働く武田智花さんに話を聞きました。

智花さんは日本の高校を卒業後、すぐに渡米してエドモンズ・カレッジへ。ESLクラスを受講した後、旅行関係の仕事全般に興味があったのでホスピタリティー&ツーリズム学科を専攻しました。

「エアラインのクラスもありました。CRS(Computer Reservation System)という、実際に空港業務で使われているシステムを使い、航空券の予約手配の仕方などを学ぶうちに、現場で働いてみたいという気持ちが強くなってきました」

智花さんは将来、英語を使う仕事に携わりたいので、この機会にアメリカで仕事を経験しようとOPTを申請したそうです。2019年6月の準学士号取得に合わせ、同年4月下旬には大学のアドバイザーと一緒に申請書類をそろえ、移民局へ郵送しました。3カ月経って申請が承認され、その数日後に移民局からEAD(Employment Authorization Document)カードが自宅に郵送されてきました。このEADカードが届くと、働き始めることができます。

JALでの仕事はまず、チェックインカウンターから始まります。使う物の準備、掃除などを済ませた後、チェックイン業務に入ります。

全てのチェックインが終了すると、搭乗ゲートに向かいます。そこでは航空券やパスポートの確認、アナウンスなどを行います。

「空港では世界各国からのお客さまをサポートします。難しい業務もありますが、自分がチェックインの対応をしたお客さまにありがとうと言ってもらえるとうれしく思います。英語の上達にもつながり、接客の楽しさ、やりがいを味わえる仕事ですね」と語ってくれました。

2011年よりアソシエイト・ディレクターとしてエドモンズ・カレッジにて勤務。1999年に夫、1歳半の息子とアメリカ移住。子育てに専念した後、息子の中学入学を機に以前から興味のあった教育分野へ。現在は入学から進路、イミグレーションのアドバイザーを務める傍ら、日本文化クラブのアドバイザーとして日本文化を学内や地域に広めようと学生たちと共に活動中。