Meowtropolitan

取材･文：片山野乃 / 越宮照代 写真：大野真以

若者3人が始めたシアトル初の猫カフェ

昨年暮れ、ウォーリングフォードに、シアトルで初めての猫カフェ「ミャオトロポリタン」がオープン。通りに面した大きなガラス窓からは広々とした猫用のラウンジがショーケースのように見え、猫たちがくつろいでいる様子に、猫好きでなくても思わず微笑んでしまう。

創業したのは台湾出身のマット・レイさんをはじめとする3人の若者。3人は、アジアで猫カフェが人気なのに注目。「シアトルの人は猫好きで、シェルターにはたくさん猫がいるし、何よりもカフェ文化が発達しているから、ここでも出来るのではないかと思ったんです」。約1年の準備期間を経て、2015年12月に開業した。

カフェエリアと猫ラウンジ

店内はカフェエリアと猫ラウンジの2つに分かれている。猫ラウンジに入れるのは一度に15人までで、予約が必要。ただし、もしも予約がいっぱいで中に入れなくても、カフェエリアからガラス越しにラウンジ内が見えるので、コーヒーを飲みながら猫を眺めることも可能だ。「開店したばかりの2カ月くらいは珍しかったこともあって、2週間先まで予約が詰まっていましたが、今は落ち着いてきて、その日のうちに入れます」とマットさん。1回50分、飲み物1杯付きで10ドル。飲み物はラウンジに持って入れる。
カフェとラウンジの間には小さなスペースがある。猫が間違って外に出ないようにするため、そしてそこで手を消毒し、中に入る準備をするための場所でもある。猫を驚かさないことなど、注意書きが貼ってある。

猫と我が家のリビングで戯れるように

ラウンジでは、タワーの上から室内を観察している猫、窓辺で昼寝をしていたり、猫同士でじゃれあっていたり、顧客サービスにいそしんでいたりと、見ているだけで飽きない。空間が広いので、人が10人入っていてもゆったり感がある。引っ込み思案の猫は、人の手が届きにくい天井近くのウォーキングボードに避難できるようになっており、昼寝をしやすい場所があちらこちらに設けてある。部屋は清潔に保たれており、猫にとって、とてもよい環境だ。人々はおもちゃで猫と遊んだり、くつろいでいる猫を優しくなでたりと、思い思いに楽しんでいる。
日本の多くの猫カフェと大きく違う点は、アダプション（里猫として引き取る）が出来るところだろう。「お客さんの多くはすでに猫を飼っている人が多いです。アダプトするつもりはなくて来られた方が、特定の猫と心が通じ合ってアダプトを決める、というケースもありますね」
同店の猫は、パートナー関係を結ぶケント市のシェルターが、健康状態や人間との適応性を判断して提供している。「アダプションの申込はすごく多いんですけど、週に１、２匹と決めているので順番待ちになります」。環境が頻繁に変わるのは猫にとってストレスになるためだ。
ラウンジを見渡していると、常駐しているスタッフが、眠そうにしている猫の後ろの柱に「I’ m in a bad mood（そっとしておいて）」と書かれた紙を貼った。

猫グッズや猫スイーツがたくさん

カフェエリアも猫で充実している。ショーケースには、フジベーカリーから仕入れているという猫仕様のスイーツがずらり。中でも猫顔のマカロン（$2.95）は一番人気だとか。

猫好きが「きゃーっ、可愛い！」と悲鳴を上げそうなのが、日本のマシュマロ会社「やわはだ」から直送している「猫マシュマロ（Meowshmallow セット$10.95）」。猫の顔と猫の肉球の2種類あり、飲み物に入れると、まるで猫がお風呂に入っているみたい！
「シアトルではここでしか販売されていないんですよ」。

肉球はばら売り（$1.50）もあり、その場でコーヒーに入れて食べる人も多いそうだ。週末限定でトレスのサンドイッチも置いている。コーヒーはローカルの「ハーキマーコーヒー（Herkimer Coffee）」を使っており、香りが良くまろやかでおすすめ。カフェラテ（$3.30 8oz）をオーダーすると、バリスタが可愛らしい猫の顔のラテアートを作ってくれた。まさに猫尽くしの猫カフェ体験だった。

Meowtropolitan

1225 N. 45th St., Seattle, WA 98103
☎︎ 206-632-2330
営業時間：
カフェ・月7am ～ 6pm、火～金 7am ～ 9pm
土 ・日 9am ～ 9pm
猫ラウンジ(8 歳以上、8 〜 13 歳は保護者同伴)
火～金 11am ～ 3pm、4pm ～ 9pm
土・日11am ～ 3pm、4pm ～ 9pm
seattlemeowtropolitan.com