結婚を通してのグリーンカード取得における最新情報
アメリカ市民あるいはグリーンカード保持者との結婚を通してグリーンカードを申請する際、結婚後2年以内にグリーンカードを取得する場合には、2年間のみ有効のグリーンカードが発行されます。これを条件付きグリーンカード(Conditional Green Card)、それを持つ人を条件付きグリーンカード保持者(Conditional Permanent Resident)と言います。
条件付きグリーンカードの条件を削除するには、有効期限が切れる前の90日間内に条件削除申請(Joint Petition)を行います。これは通常、グリーンカードのスポンサーである配偶者と共同で行わなければなりません。ただし、離婚や死別、虐待などの理由で共同申請できない場合には、共同申請の免除を申し立て、外国人のみで申請できます。なお、グリーンカード取得時に結婚後すでに2年以上経過している場合には、初めから10年間有効のグリーンカードが発行されるため、条件削除申請は必要ありません。
条件付きグリーンカードを設ける目的は偽装結婚の防止です。2年間の有効期限付きという以外は、通常のグリーンカード保持者と同等の権利が与えられます。就労に関する制限もなく、米国と海外で自由に往来することも許されています。さらに条件付きグリーンカード保持者として過ごした2年間は、市民権取得条件の1つである3年間の最低居住期間にもカウントされます。
現在、条件削除申請期間は1年半前後と長くなっているため、申請期間中にグリーンカードの有効期限が失効してしまいます。しかし、申請して10~14日ほどで移民局から申請受理書が届き、その申請受理書に、申請期間中は最長18カ月間、グリーンカードの有効期限を延長すると記載されています。なお、現在は18カ月ですが、申請期間が短い時には12カ月の場合もありますので、申請受理書をよく確認してください。有効期限が切れてしまったグリーンカードと、申請受理書を携帯することで、引き続きグリーンカード保持者であることが証明されるため、アメリカでの就労、また海外への渡航も可能です。
グリーンカードの審査ですが、1年ほど前までは基本的に書類での審査が中心で、結婚の信用性に疑いがある場合や無作為に抽出された稀なケースを除き、インタビューは免除されることが一般的でした。しかし、昨年は移民局のポリシーが逆転し、ほぼ全ての申請においてインタビューを行い、以下の状況に該当する場合に限って審査官の裁量でインタビューを免除できることが発表されました。
インタビュー免除の対象
1.結婚が偽装でない証拠が十分にある。
2.移民局が2年前の結婚によるグリーンカード申請の際に、すでにインタビューを行った(2年の条件付きグリーンカード申請の際、アメリカ国外の米国大使館でインタビューをした場合には、移民局でのインタビューを行っていないため、条件削除申請でインタビューがある可能性は非常に高くなると予想できる)。
3.申請書類に偽装や虚偽がない。
4.インタビューで解決しなければならないような複雑な事実や問題点がない。
前述の通り、2年の条件付きグリーンカードのインタビューを米国大使館で行った場合、条件削除申請でインタビューがある可能性は非常に高くなります。しかし、アメリカ国内でアジャストメント申請をし、移民局でインタビューを行ったからといって、2年後にインタビューが自動的に免除されるわけではありません。
申請には、結婚が偽装でないことを証明する証拠書類を提出しますが、今後は審査が厳しくなることが予想されるため、疑われる要素がないよう、さらに証拠書類の提出に関しては念入りに準備する必要があるでしょう。なお、新しいポリシーは2018年12月10日以降にファイルした申請が該当します。