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Hビザ 2017年最新情報

H-1B

4年制大学・大学院を卒業して米国で就職する方に一般的であるH-1Bビザの2018年会計年度(2017年10月1日から2018年9月30日)分の申請受付が、4月3日より開始されます(4月1日・2日が週末、3日が4月最初のビジネス日のため)。

H-1Bビザの年間発給枠は65,000件です。また米国大学の修士号取得者枠として、別途20,000件が割り当てられています。移民局は4月3日からの5営業日間(今年は4月7日の金曜日まで)は、申請受付数が枠上限を超えても受付を続けます。この5日間で枠上限を超える申請があった場合、それ以降の申請は受け付けられません。そして5日間で受け付けた申請の中から、無作為による抽選によって実際に受け付ける申請を選びます。昨年の5営業日内での総受付数は、一般枠と修士号取得者枠を合わせて236,000件以上でした。前々年度は約233,000件で、今年も申請数は昨年並みと予想されます。

H-1Bビザ審査に関しては、15日以内で審査をしてもらえるプレミアム・プロセッシング・サービスが4月3日以降、一時的に停止されます。移民局はそれがいつまで停止されるかは明確にしていませんが、6カ月間ほどになる可能性を示唆しています。プレミアム・プロセッシング・サービスが停止されるため、もし間違ってプレミアム・プロセッシング・サービス費を含めたファイリング費の合計を1枚のチェックで支払ってしまった場合、その申請は受け付けられませんので、注意してください。

H-2B

H-2BビザもH-1Bと同様に年間発給枠の上限があり、66,000人を前期33,000人(10月〜3月)と後期33,000人(4月〜9月)に振り分けています。昨年度は認められていた、以前H-2Bで来たことがある労働者(リターニング・ワーカー)の免除枠は、今年度はありません。従来からある魚卵技術者の枠免除には変更はありません。

現在、H-2Bビザ審査において労働省(DOL)でのプロセスに大幅な遅延が生じています。この遅延の理由は、単純にDOLが対応できる申請数を大幅に超えた数の申請を受け付けたためと思われます。H-2Bビザは仕事開始日の90日前から申請可能ですが、後期の枠がオープンとなる4月1日の90日前である1月1日に、多数の申請がファイルされました。DOLによると1月最初の1週間で受け付けた申請数は2,837件で、労働者数にすると50,957人となり、最初の1週間の申請数のみで、枠上限となる33,000人を超える申請を受け付けたことになります。H-2Bは1件の申請で複数人の労働者のスポンサーが可能なため、申請件数と枠のカウントである人数とで相違があります。

同じく大幅に遅延が発生した昨年と違い、今年はEmergency Procedure Initiative(簡略化されたリクルートメント)は実施されていません。

実際の枠がカウントされる移民局の審査では、3月9日現在で36,136人(認可済み、審査中を含めて)のカウントとなっています。移民局は棄却される分を事前に予想して、枠上限よりも多い数の申請を受け付けるのが一般的です。

[知っておきたい移民法]

神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 また、移民法以外の分野、特に家族法、遺言・検認・遺言状執行、会社設立、その他民事訴訟にも精通する。カンザス州およびワシントン州弁護士会会員、 米国移民法弁護士協会会員。移民法関連のトピックにおいて、たびたびセミナーを開催。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118