主に研修目的の訪問に利用される「Jビザ」は、その他さまざまな訪問目的に利用できます。大学生のインターンシップ、高校生の短期留学、オペア(住み込みの家事手伝い)など。その中に「サマー・ワーク&トラベル(SWT)プログラム」というものがあります。これは外国の大学生または大学院生が、夏休みの期間中にアメリカでアルバイトと旅行ができるプログラムです。
SWTプログラムに参加するには、居住国政府から正式認可を受けている大学または大学院で学位取得を目指している、またはフルタイムの学生として在籍していることが必要です。また、英語力も条件になっています。
参加できる時期や期間は出身国によって異なり、日本人の場合は最長6月18日から10月18日までの4カ月間が参加可能です。この中で最長1カ月間の旅行が認められています。
このプログラムを通じて、世界中の多くの学生がアメリカ各地のホテル、ビーチリゾート、テーマパーク、国立公園などで働いてきました。しかしこの実績の裏で、プログラムに対するさまざまな批判があることも事実です。
Jビザは基本的に文化交流を目的とするため、移民局ではなく国務省がJビザを管轄します。しかし国務省は、労働者や労働環境の保護を担当する省ではありません。そのため、同プログラムに参加した学生が、劣悪な労働環境で酷使されるという問題点が指摘されてきました。数年前には、全米放送のドキュメンタリー番組でこの問題が取り上げられ、大きな反響を呼びました。また、アメリカ人の雇用を奪っているという批判も絶えることはありません。これを受けて国務省は、ここ数年で同プログラムのルールを大幅に厳しくしてきました。
SWTプログラムで就ける仕事は、季節労働か一時的な仕事に限られ、業務内でアメリカ市民との日常的な交流がなされる必要があります。米国のカルチャーや歴史と触れ合う機会があることも条件です。プログラム・スポンサーと呼ばれるビザ・スポンサーは、SWTプログラム参加者の仕事先(ホスト雇用主)が、参加者をアメリカ人労働者の代わりとしないこと、120日以内にレイオフをしていないことおよびストライキがないことを確認しなければなりません。また、毎月プログラム参加者と連絡を取り、彼らの生活と健康状況をチェックします。 仕事は渡米前に決まっている必要がありますが、日本を含むビザ・ウェイバー対象国は、この条件は免除されています。
SWTプログラムに参加するためには、まずプログラム・スポンサーを探す必要があります。こちらのウェブサイトから検索できます。プログラム・スポンサーは、申請プロセスを管理し、プログラム参加中の主な連絡先となります。その後、東京の大使館または札幌、大阪、那覇総領事館でのビザ面接となります。ビザ面接の目的は、参加者が参加資格を満たしビザを取得する資格があるかを確認することです。
[知っておきたい移民法]