H-1B
4年制大学・大学院を卒業して米国で就職する方のビザとして一般的なH-1Bビザの2017年会計年度(2016年10月1日から2017年9月30日)分の申請受付が、4月1日より開始されます。この数年は、一年間に発給できる上限以上の申請数があるため、審査に選ばれるための抽選が行われています。
H-1Bビザの年間発給枠は、65,000件です。また、米国大学の修士号取得者枠として、別途20,000件が割り当てられています。移民局は、4月1日からの5営業日まで(5営業日は、今年は4月7日の木曜日となります)は、申請受付数が枠上限を超えても受付けを続けます。この5日間で枠上限を超える申請があった場合、7日以降の申請の受付けはされません。そして、5日間で受け付けた申請の中から、無作為による抽選によって、実際に受け付ける申請を選びます。
昨年の5営業日内での総受付数は、一般枠と修士号取得者枠を合わせて約233,000件でした。前々年度は、約172,500件でしたので、昨年度は前年比約60,000件増えたことになります。例年H-1B申請数は、景気の動向に左右され、通常景気がいいと申請数が増える傾向にあります。今年は、引き続き米国の景気が良好なため、昨年並みかそれ以上の申請数が予想されます。
なお、12月18日に可決された包括歳出法案によって、50人以上の従業員を雇っている事業主で、従業員の50%以上がH-1Bビザ保持者もしくはLビザ保持者の場合に、通常のファイリング費以外の追加のファイリング費として今まで2000ドルを徴収していたものが、4000ドルに上がりました。
H-2B
H-2Bビザも、H-1B同様年間発給枠に上限があり、66,000件を前期33,000件(10月ー3月)と後期33、000件(4月ー9月)に振り分けています。今回12月18日に可決された包括歳出法案によって、以前H-2Bで来たことがある労働者(リターニング・ワーカー)は、この年間枠からは免除扱いされることになりました。枠免除となるリターニング・ワーカーであるためには、FY2013、FY2014、FY2015(2012年10月1日から2015年9月30日)でH-2B枠としてカウントされていることが必要です。リターニング・ワーカー免除枠は、ブッシュ政権時の2005年から2007年の間に実施されたことがあり、今回の措置はその時と同様です。しかしこの枠免除は、2016年会計年度(2016年9月30日まで)が実施期間となります。従来からある魚卵技術者の枠免除には、変更はありません。
また、シーフード・インダストリーに従事するH-2B労働者は、米国入国のタイミングが、実際に申請書に記載した仕事開始予定日から最長90日ー120日遅れたとしても、新しい申請を要せずに、追加のリクルートメント(外国人労働者のH-2Bビザを申請するためには、まず米国人労働者でそのなり手がいるかどうかの求人を募集する必要があり、その求人募集のこと)をすることによって入国が許される規定が設けられました。
[知っておきたい移民法]