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渡米実現までの道のり

新連載
国際結婚あれこれ

アメリカ人のマイケルと遠距離恋愛を経て国際結婚に至った日本人のよっぴー。自らの経験を通して楽しかったことや学んだこと、思いもよらないカルチャーショックなどを振り返ります。

遠距離恋愛でいちばん困ったことは、ずばりお金がかかるという点でした。どんなペースで会うにせよ、日米を定期的に行き来すると、どうしても金銭的な負担がかかります。2、3カ月おきにマイケルと交互に行き来していましたが、何往復かした時点で「この関係はお金がないと成り立たないのだ」と、しみじみ思うようになりました。本当は同棲を経験してみたかったのですが、国境を越える付き合いはビザがネックとなります。もともと結婚を意識していたものの、具体的に移住を考えるきっかけになりました。遠距離恋愛は、結婚をするかしないのかの決断を迫られる状況に遭遇しやすいかもしれません。

アメリカで国際結婚をする場合、入国後90日以内に結婚することを条件に婚約者(K-1)ビザを取得します。申請ルールは毎年変わることがありますが、私の場合、渡航には犯罪経歴証明書や健康診断書などが必要となり、書類集めに奔走。書類に不備があるとビザが下りないため、移民局のホームページを何度も確認し、緊張しながらの作業となりました。また、ビザや永住権を申請する期間は、日米を自由に行き来しづらくなります。入国審査で不法滞在を疑われる可能性があるので、私も気を付けていました。

婚約者ビザの承認はなかなか下りず、半年が過ぎたある日のこと。マイケルとはしばらく会えないんだよねと家族に話したところ、父に「シアトルで会えないならカナダに行けばいい」とあっさり言われました。身内からアドバイスが返ってくるとは思わず、想定外のアイデアになるほどと納得し、長い申請期間中はマイケルとバンクーバーで集合し、寂しさを乗り越えました。

そうこうしているうちに申請から8カ月ほど経ち、ようやく婚約者ビザが取得できました。住んでいたアパートの部屋を掃除し、荷物を船便に出し、あとはアメリカに行くのみ。出国の日は両親が空港に見送りに来てくれて、うれしさやさびしさでいっぱいでした。飛行機に乗った瞬間は感無量で、これまでの申請の過程はもちろん、引っ越し前に会ってくれた親族や親友のことを思い出して胸が熱くなる思いでした。しかし、そんな矢先に予想もしていない出来事が起こります。

離陸し1時間ほど経った頃、その機内アナウンスは流れました。「当機はエンジントラブルのため緊急事態が発令され、これより成田へ引き返します」。なんと、離陸して3時間後には空港に後戻りすることに……。翌日の便に振り替えられ、その日は空港近くで1泊過ごしました。思いがけず出鼻をくじかれ、バタバタしながらの渡米となりました。