今回のテーマ
酒屋の応援弁当!!
地方の酒屋の若社長が、このコロナ禍で食材を余らせて困っている人たちから買い付けをし、弁当に変身させて社会貢献。多くの人にエールを贈る「応援弁当」を作っています。素敵な試みに心が温かくなりました!
シアトルの皆さま、こんにちは。日本も緊急事態宣言は解除されましたが、人が街に出るようになれば必然と感染は止められないものですね。ミヤザキの住む県に1人でも感染者が出たら、その日から2週間は訪問を控えてくださいと取引先から言われています。先日のZoom会議で「ミヤザキさんはもう一生訪問ができませんね」と言われ、大笑いした次第です。
前回は、この状況の中でいち早く対策を取った面白い社長の話をしました。人というのは不思議なもので、「人の振り見てわが振り直せ」という言葉がありますが、このコラムを読んで気付きをもらったと、社員への還元を始めた方もいると聞きました。しばらく、このテーマで続けたいなと考えています。
三重県鳥羽市は、海沿いの自然豊かな、関西圏の観光スポットとしてにぎわう国際指定都市です。今ではコロナ禍でどこの観光地も静かですが、鳥羽も同様です。今回は、そんな町のために尽力している若者のひとりにスポットを当てましょう。鳥羽市内にある酒屋の森下社長です。ビジネスの危機に、どう行動するのかと興味があったミヤザキが「何か策は練ったの?」と聞いたところ、「弁当作ったんですよ!」と即答。森下社長は酒屋以外に料理屋も経営しているので、最初はテイクアウトのビジネスを始めたのかと思いました。それがよく聞いてみると、食材を持て余して困っている業者から食材を買い付け、弁当を作り、その弁当を売るのではなくて配ったんですって!? やっぱり、この社長は面白い。
地元の肉屋が困っているというので食材を買い、弁当にして地元の企業などに無料配布。また、地元の漁師の魚を買い、弁当で販売して、その売り上げを寄付。家から出られないストレスを抱えるママと子どもに「子ども食堂」を開き、青空の下でお菓子のつかみ取りや駄菓子の無料配布を実施。自分の会社も追い詰められている時に、こうした行動を取れる森下社長は「今生きることを楽しんでいる経営者」だと感じました。目の前に困っている人がいるから買い付けをして、それを別の困っている人に「応援弁当」として配る。なんだかほっこりしますね。
そんな森下社長の営む酒乃店もりしたは、日本でなかなか手に入らない銘酒がずらずら並ぶ名店。実際に訪れる人は「こんな場所にそんな店が!?」とびっくりすることでしょう。根っからの野球小僧で、甲子園ではホームランも打ちながらプロの道は選択せず、親の酒屋を継いだ森下社長。全国の銘酒の酒造元に手紙を書き、相手にされなくても粘り強くアポを取り続け、酒造りもお手伝い。そうして、世界に2軒でしか販売されていない幻の酒までが、この店にはあるわけです。日本全国から注文が舞い込むのも納得。
そんな若き森下社長はやっぱり、私が提唱する13パターンの人間学「お役割」で言うところの1番「スターター」でした。今回の行動に「最初の1歩の役割」を見た気がします。全国の酒蔵を回るので留守も多いはずなのに、それを守るスタッフのチームワークも素晴らしい。みんながそれぞれの役割を担っています。森下社長の酒のうんちくはすごくて、前回の「羽オタク」に続き「酒オタク」と命名することにしました(笑)。この新型コロナが終息したら、森下社長と酒を担いでシアトルに行く予定ですので、その時はぜひ「酒オタク」に会いに来てください!
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