SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!
私はピンクが好きだ。赤も好きだがくすんだピンク色が何より好きだ。ところが小学生の頃、「ひとちゃんは何色が好き?」と聞かれると決まって「青」と答えていた。幼い頃からずっと、くるくる天然パーマのショートヘア。男の子と間違われることの多かった私は、「男勝りでいなければ」と思い込んでいたふしがある。女だからって女っぽい色を好きと言うのはかっこ悪いと考えていた。しかし問題なのは、「女の子はピンクで男の子は青」と周囲が決めつけることであって、女の子の私がたまたまピンク好きなことになんら問題はないのだ。むしろ女の子らしさ、男の子らしさにいちばんとらわれていたのは自分自身だったと、今になってわかる。
70年代の女性解放運動家たちは、ブラジャーを「女性を締め付けるもの」の象徴として燃やしたけれど、それはまぁそれとして。かわいいと思う下着、着けていて元気になれるブラジャーを選ぶ楽しみだって大切なことだ。さまざまなジェンダーの人が、そのありのままを尊重されるべきであるように、私が女性であるという事実も尊重されるべきだし、まず自分自身が大切にしなければと思う。
さて、なぜこんな話をしているかと言うと、持続可能な開発目標「SDGs」の5番目が「ジェンダー平等を実現しよう」だから。残念なことに、この社会ではまだまだ女性はマイノリティー(立場が弱いという意味で)。2020年の統計で日本の女性フルタイムワーカーの収入は男性の74.4%に過ぎない。アメリカでさえ82.3%だ。う〜ん、平等への道のりは長い。
そんな中、最近は女性によるサステナブルなブランドがとても多いと気が付いた。特に西海岸が熱い。たとえば以前にも紹介したリサ・セズ・ガーなんかは、その筆頭。同じく西海岸ではオークランドのアリ・ゴールデンや、ベイ・エリアの黒人女性デザイナーによるアリヤ・ワネックなど、注目の女性ブランドを挙げれば切りがない。東海岸なら、ルジュタ・シェスが気になっている。どのブランドの服も、ナチュラルで気持ちが良いという印象。そして洒落ている。
ジェンダー・ニュートラルなファッションももちろん素敵だが、女性による、女性が美しく、そして心地良くいられるための服、というコンセプトもまた素晴らしい。同じ女性がこうして頑張っていて、人と地球に優しいものづくりをしていると聞けば、協力せずにいられようか……否! そして今日も、ついつい新シーズンのコレクションのチェックに励んでしまうのであった。
2022年、みんながますます、そして少しずつでもハッピーになっていけますように。
■Ali Golden
デザイナー、アリ・ゴールデンさんの、サステナブル・ファッションをより手の届きやすいものに、という思いから始まった婦人服ブランド。ペルーやインド、香港などの職人・工場とフェアトレードでの商品生産を行っている。今年からキッズラインも登場し、ますます目が離せない。
■Aliya Wanek
言語聴覚士でもあるアリヤ・ワネックさんが2016年にスタート。黒人女性としてのアイデンティティーとスタイルの融合を目指す。また、自然素材のみを使用するなど、環境に配慮したものづくりをミッションに掲げる。ナチュラルで美しい染色が魅力。
■Rujuta Sheth
インドからの移民1世、ルジュタ・シェスさんによるニューヨーク発のブランド。織物職人の村に育ったシェスさんのバックグラウンドを色濃く反映し、伝統的な手織り技法によるオーガニックコットンのテキスタイルとモダンなシルエットを掛け合わせたデザインが特徴的。