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子ども服を考えることは未来を考えることである〜ゆる〜くSDGsな消費者生活 Vol.19

​SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!

5 年前、姪ができた。それ以来、子ども服のリサーチが楽しくて仕方がない。2 年前には甥まで生まれたものだからもう大変。すっかり叔母は大忙しだ。調べ始めると子ども服は奥が深い。何しろ自分のものと同じ感覚では選べない。やたらと難しいサイズ選びに始まり、洗いやすさや素材に着心地、そして安全性。たとえば、モヘアのセーターは大人にはかわいくても、子どもの場合は目に毛が入ると痛いかも?などと気にし出したら切りがない。

そして、どうやら子ども服の世界でも、しばらく前から「おしゃれ=サステナブル」というのがキーワードのようだ。大きなブランドから小さな街のブティックまで、オーガニックコットンは当たり前。リサイクル素材やフェアトレード、エシカル生産、メイド・イン・ローカルなどなど。さらに興味深いことに、素敵だなぁと感じるブランドは、実際に子を持つお父さん・お母さんが立ち上げている、なんてことも多い。子どもたちのために安心して選べ、しかもおしゃれに、という思いがあふれている。

私自身がとても気に入り、友人にもおすすめした、ペアーというベビー用品ブランドがある。たまたまポールズボーのセレクトショップをのぞいた時に発見した。柔らかい色使いや遊び心のあるデザインが特徴的で、ジェン・ケリーさんとベッカ・ペレンさんという幼なじみのママふたりが創設者。女性オーナー企業として女性のサポートに積極的に取り組んでいて、作り手の女性たちとのフェアトレードほか、発展途上国の女性に教育機会を提供するための団体との連携もしている。

ペアーの服は肌触りが柔らかく滑らかでとにかく気持ちが良いカラフルなのにソフトな色使いと動物などの柄がいかにもベビー用品らしく見ていて幸せな気持ちになる肘パッチも実用的かつ愛らしさ全開だ

また、日本でも人気のクインシーメイは、イラストレーターでデザイナーのケリー・マレー・ラーソンさんが、3 人目の子どもの誕生を機に始めたブランド。GOTS 認証を受けたオーガニックコットンの使用や、化学薬品の不使用、生産に携わる工場の労働環境などにこだわり、社会的責任が評価されるブランドに与えられる賞も受賞している。ピクシースタイルのボンネットにニットのブルマーなど、クラシックなデザインが渋い色合いと相まってなんとも愛らしい。公式オンライン・ショップの「プレ・ラブド」セクションでは、同社製品の「お下がり」を店のクレジットと交換で引き取り、お得に販売している。

クインシーメイのピクシーハットちなみにタイツはスウェーデン在住のママが開発したシリーサイラスのもの北欧など環境先進国のブランドはやはり子ども服に対しても意識が高いと感じることが多い

なるほど、子どもたちのために良いものを選びたい、作りたいという親たちの思いは、ひいては地球の未来を思うことにつながっている。だって子どもたちは私たちの未来そのものなのだから。

■Pehr

https://pehr.com

アパレル、ベッドリネンの全てがGOT認証のオーガニックコットンで作られている。スワドル(おくるみ)やプレイマット、モビールなどもそろうカナダ発のベビー/キッズ専門ブランド。

■Quincy Mae

www.quincymae.com

ライリーアンドクルーのセカンド・ブランドとして、2018 年に立ち上げられた。ここ数年、日本人インスタグラマーがよく取り上げているのを見かけ、「日本で流行っている!?」と驚いていたら、なんと日本には実店舗までできていた。日本の消費者はファッション感度が本当に高い。

■Silly Silas

https://sillysilas.com

2019 年、チェコ系のバックグラウンドを持つテレジア・プラシュスカさんが育休中に創始。チェコの小規模工場で伝統技法によって生産されるタイツは、繊維製品の安全性を証明するエコテックス® 認証を取得している。特徴的な肩ひも付きタイツは、50~60 年代に旧チェコスロバキアで多く見られたデザインだそう。

東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。