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身長203㎝、ダンクもこなす女子選手ブリトニー・グライナー

ブリトニー・グライナー
レギュラーシーズン最終戦でストームと対戦したグライナー

今年シアトルは、アメフトでシーホークスが優勝、女子サッカーのレインは準優勝、男子サッカーのサウンダースはシーズンを通してリーグ首位を争い、マリナーズも13年ぶりにプレーオフ出場の気配を見せています。去年の7月にフォーブス誌が、アメリカで最も惨めなスポーツタウンとしてシアトルを選んだのが遠い昔のよう。唯一残念な結果に終わっているのは女子バスケWNBAのストーム。12勝22敗と大きく負け越し、11年連続のプレーオフ出場はなりませんでした。

今年WNBAで優勝を果たしたのはフェニックス・マーキュリー。荻原美樹子選手や大神雄子選手も所属していたチームです。バスケは5人でプレーしますが、マーキュリーにはアメリカ代表選手が4人も所属。34試合あるレギュラーシーズンで黒星は5試合のみ。そのマーキュリーには名実ともに「大物」選手がいます。ブリトニー・グライナーです。

記録づくしのキャリア

203㎝の身長と運動能力に恵まれたグライナーは、高校生の時からダンクシュートを決める女子選手として有名でした。ベイラー大へ進学後は即スタメン入り。ゴール下に立ち、長い腕を伸ばして敵のシュートをブロックし、ボールを手にしてはダンクで得点。カレッジバスケのキャリア通算ブロック748回は、男子も含めたNCAA新記録。ダンク18回はNCAA女子の新記録。3283得点はNCAA女子歴代2位の記録。「ドラフト2巡での指名も検討する」とNBAチームのオーナーに言わしめたほどの実力の持ち主です。男子チームへの入団は実現しませんでしたが、マーキュリーへ入団すると、ルーキーイヤーから2年連続でオールスター戦に出場。今年はディフェンスMVPも受賞。プレーオフ決勝では敵から瞼を引っかかれ、歯を折られながらも果敢にプレーし、チームを優勝に導きました。

過去には辛い経験も

順風満帆のキャリアを送っているグライナーですが、子どもの頃には並外れた背の高さが原因でいじめを受けたと自伝で明かしています。バスケ選手として活躍し始めると、自分に自信を持てるようになり、同性愛者であることも自覚。しかし、父親には受け入れられず、家を追い出され、監督の家に住まわせてもらった時期もあったとあります。グライナーはマーキュリー入りが決まった数日後、「特に隠す必要もない」と同性愛者であることを公表。今年8月には、交際相手の女子バスケ選手にプロポーズした写真を公開しています。同性婚には賛否両論あれど、自分を偽らずに生きる姿には強い共感を覚えます。

9月27日からはトルコで女子のFIBAワールドカップが開催。日本も出場しますが、アメリカ代表で活躍する彼女の姿にも、ぜひ注目してみてください。