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パチンコ打たずにワクチン打つ!〜みきこのシリメツ、ハタメーワク

みきこのシリメツ、ハタメーワク

パチンコ打たずにワクチン打つ!

パチンコ屋でワクチン接種。

大阪からニュースが入ってきた。大阪市北区にある1,000人収容の大型パチンコ店、フリーダムは9月13日、14日と休業し、従業員を始めとして近隣の住民1,500人を対象に2日間、ワクチン接種を実施した。10月も2日間やるという。合計数千万円の喪失だそうだ。

「予約できなかったので、助かりました」

「初めて座ったんですが、椅子がフカフカでした。辺りがキラキラでね」

などと、感触は良い。

昨年春、パチンコ店はクラスターが発生しやすい、と非難を浴びて休業命令が出たが、クラスターはまだ発生していない。換気設備が整う環境に加えて、仕切りの中でパチンコする人はパチンコ台とにらめっこ。隣と話している余裕はない。当たり前だ。

ひとり置きにパチンコ台の前の回転する椅子に座り、医師、看護師が席を移動して順に回ってくる。接種後の経過観察中は残りの待機時間がパチンコ台の上部の電光掲示板に表示され、気分が悪くなった場合は、「おーい、玉が出ないよー」と店員を呼ぶボタンを押す仕組みになっている。なんともジーニアス! 接種後の感想は、

「遊ぶ感覚でできたので、面白かったですよ」

「今まで負けた分を取り返せるかな?」とは、常連客のひとり。

地域貢献のためもあるが、地域の人から支えられないと残っていけないという決断、ウィン・ウィン・シチュエーションはあっぱれである。

豊中市では、出張サービス「ワクチンカー」の派遣を始めた。希望するサークル、団体など24人集まると来てくれるワゴン車だ。家の近くで接種できることに加え、今まで少し不安があった人も友人・知人と一緒、ということで安心感がある。主催者側は、

「若い人たちは特に生活スタイルが多岐にわたっているので、その希望のチャネルに合わせることができたら、と始めました」と動機を語る。

吉村洋文大阪府知事は斬新だといつも思う。若さもあるけれど、地域に密着している。しかも決断が早い。なるほど大阪人に選ばれたわけだ。パチンコ屋さんは吉村さんに押されたわけではないと思うけれど、なんか一体感がある。小池百合子東京都知事はやらないだろうなぁ。面子?があるかも。ダサくって?

今の政治に問われていることは、機敏さ、大胆さ、そして柔軟さだと誰かが言っていた。小池都知事も少しはまねしてくれないかしら? 無理だろうな。「都民ファースト」でなくて「五輪ファースト」だったもの。

東京都出身。2000年から2005年まで姉妹紙『北米報知』ゼネラル・マネジャー兼編集長。「静かな戦士たち」、「太平洋(うみ)を渡って」などの連載を執筆。2020年11月に日本に帰国。同年、著書『ゼッケン67番のGちゃん』を刊行。