注目の最新ムービー
地球外生命体の存在を問い続ける
Disclosure Day /(邦題『ディスクロージャー・デイ』)
スティーブン・スピルバーグ監督の最新作は地球外生命体を題材にしたSF大作。題名も「情報開示の日」と実に分かりやすい。スピルバーグ監督というとまず思い浮かぶのは、「インディ・ジョーンズ」「ジュラシック・パーク」「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」など人それぞれだろう。どれも大ヒットした作品ばかりだが、筆者がまず思い浮かべるのは1977年の「未知との遭遇」だ。暗闇から宇宙船が登場する驚異的な映像に目を見張り、宇宙人との交信というテーマに素直に感動して、その後も何度も見返している。本作はその続編を思わせる内容で、約半世紀を経てあの時の思いがよみがえってきた。
時は現在。世界には紛争が絶えず、第三次世界大戦への恐怖が渦巻いている。そんな頃、政府の秘密機関ウォーデックスで働くサイバーセキュリティー専門家のダニエル(ジョシュ・オコナー)が、機密ファイルを盗み出した。同機関は地球外生命体との接触の記録や歴史を所有し、その技術の仕組みを解析して再現するリバースエンジニアリングによって、人間に超人的な能力をもたらす装置を秘密裏に開発していたのだ。真実を白日の下にさらそうとするダニエルは、CEOのスキャンロン(コリン・ファース)によって外国のスパイと断定され、武装集団から追われていた。
同じ頃、テレビ局の気象予報士マーガレット(エミリー・ブラント)の身にも不思議なことが起きていた。生放送中に奇妙な音を発して倒れてしまうのだ。この様子をテレビで見ていたスキャンロンは、彼女が地球外生命体の言葉を話していると断定し、捕えようと部下を差し向ける。
ダニエルとマーガレットは執拗な追跡の中、ついに出会うことに。ダニエルはマーガレットの発した音の中に数式を見たという。一体二人の身に何が起きたのか。当の二人にも皆目分からなかった。
物語の中盤ではスリリングな追跡劇が展開する。だが、ウォーデックスの元オペレーターで、現在は地下で活動する内部告発者グループのリーダー、ヒューゴ(コールマン・ドミンゴ)らの登場で、次第に二人をめぐる謎が解けていく。
今年79歳になるスピルバーグ監督の宇宙と地球外生命体へのオプティミスティックな思いは少しも色あせていなかった。「未知との遭遇」を初見した時に感じた、宇宙や未知との出会いへの期待感があの映画のヒットにつながったのだと思う。今思えば、ナイーブに未来への期待が持てる時代だったのかもしれない。しかし今、このようなメッセージが観客の胸に届くのだろうか。嘘と不信、対立とヘイトが渦巻く今の世界に響くのだろうか。
いや、そんな時代だからこそなのだろう。この映画が描くのは対立でも敵対でもなく、融和と親和への可能性だ。そのメッセージを素直に受けとめたい。
Disclosure Day /
(邦題『ディスクロージャー・デイ』)
写真クレジット:Universal Pictures
上映時間:2時間25分
シアトル周辺では標準、IMAX、70mm、RPX、XDなどで上映中。


















