Home 観光・エンタメ シニアがなんだ!カナダで再出発 巣ごもり生活の良し悪し

巣ごもり生活の良し悪し

巣ごもり生活の良し悪し

バンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州での新型コロナ罹患者数は、7月中旬になると様子が一変。規制が緩和された夏、月初めのカナダ・デー連休もあり、社交好きの20〜30代の若者を中心に1日30〜40人と激増している。マスコミがこんなに騒いでいるのに? 若いからかかっても平気という自己中心な考えなのか?

巣ごもり以降初めてパティオダイニングへ近所のベトナム料理店リトルサイゴンのフォーを食して大喜び

ダウンタウンを歩くとファッション最優先とばかりにマスクを着けない若者たちがレストラン前に集う。私は他人への礼儀と思ってマスク着用で出歩くが、猜疑的な目付きで避けられることも。私も若かったらこうだったのかと、ふと考えてしまう。

初めて経験するコロナ・パンデミックの真っただ中、見通しがつかないその日暮らし。こんな生活の良い点、悪い点を挙げてみた。

●悪い点
冷蔵庫も押し入れも買いだめ物資だらけ冷蔵庫の奥にある残り物が何かもわからない

1. 最初の頃は物資の供給不足の心配や外出回数を減らすためもあり、つい大量買い。トイレットペーパーや卵が店頭から消える有事のパニック状態を、身を持って経験。おかげで冷蔵庫はいつも満杯。

2. パンデミックへの各国地方の対応には政治の質や国民性が反映される。発表された情報の真偽が定かでない大国は実態がつかめず不安がつのる。

今の生活は5月に再開されたアウトドアピックルボールがメインに

3. 旅行や遠出といった刺激がない。米国への行来さえ難しくなり、シアトルにいる高齢の友人に万が一何かあっても会いに行けない。

4. 休暇を含め将来の計画が立てられない。選択範囲が狭まり決断はしやすいが、それを理由に毎日同じことを繰り返す単調な生活を正当化してしまう。

コロナ撃滅8種の神器一時品切れ続いて2倍の値段で売られた諸製品はやっと元値で店頭に出回るようになった

5. 外出前後の準備・消毒が面倒。ソーシャル・ディスタンスや物に手が触れる時に気を付けなければならないのが苦痛。時に忘れてしまう。

●良い点
23歳まで日本で暮らした私は今になって昔懐かしいB級グルメが食べたくなる最近はネットでレシピを見つけてはその味を再現オムライスにもナポリタンにも使えるケチャップは万能だ

1. 外食が制限されるにつれ、自炊の機会が増えて安上がり。塩分、糖分、油脂も減らせ、健康的。幸い1月にバルコニー付きのコンドミニアムに引っ越したので、サラダ菜やハーブを栽培し、とれたてが食べられる。

2. 子どもの頃に田舎で経験したような「地元にとどまる」生活が再現されている。近所を散歩しては新発見。これもいいものだと思うようになった。

例年なら冬はハワイで避寒取りにくい宿を早めに確保したのにこの分だとおそらくキャンセルシニアに人気のクルーズ旅行などは一体いつになったら出かけられるのか

3. 旅行ができない分、貯金できる。

4. 外出を控え、消毒に気を付けるようになったので、風邪や流感にかからなくて済んでいる。周りの人もあまりかかっていない。外出先で他人が手を洗うのを見ると、多くの人が手本通り真面目に洗っているようだ。

グループチャットに活躍するSNSのWhatsApp日本版のLINEや韓国版のKakaoTalkも利用している職場でコンピューターを使っていたおかげで新しいコミュニケーション方法にもどうにかついていける

5. SNSを通じてピックルボール仲間内の情報交換が活発化。助け合い精神の大切さを確認できた。

6. いつ罹患する(死ぬ)かもわからないが、戦場に送られるよりはましと想像する。日本人はわずか80年ほど前には徴兵されていた。その恐怖たるやいかなるものか。わが人生の幸運なタイミングにひたすら感謝。

滋賀県生まれの団塊世代。京都産業大学卒業後日本を脱出。ヨーロッパで半年間過ごした後シアトルに。在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務。政治経済や広報文化などの分野で活躍。ワシントン大学で英語文学士号、シアトル大学でESL教師の資格を取得。2013年10月定年退職。趣味はピックルボールと社交ダンス。