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ソイソース蔵出し 衝撃記事7連発!

衝撃記事その4 2008年6月25日号 No.317
やりくり生活

本紙スタッフがやりくりに挑戦! 食費月100ドル生活

日本と比べると安い生活費で豊かに暮らせたシアトルも、最近ではガソリン代が4ドルを超え、アパートの家賃も急上昇中。テレビやラジオのニュースでもあまり景気のいい話はないし、このままだとわが暮らしにも危機が押し寄せそう…ということで、ものは試しと、少し前に日本のテレビで流行った食費1カ月1万円ならぬ100ドルで生活してみることにしました。

背景
当方独身♂で、現在シアトル市内のアパートで一人暮らし中。1カ月の食費をちゃんと計算したことはないが、おそらく1日10ドル、月に300ドルくらいは使っている。ということは、1カ月100ドルで食べていくにはこれまでの1/3の予算で食事を調達しないといけない!? だいたい1日3ドル、1食1ドル…。うーむ、出だしから弱気の風が吹き抜けたが、とりあえず自分がいくら使ったかわかりやすくするために、銀行で10枚の10ドル札をおろして100ドル生活に突入した。

第1週
今月最初の買い物に近くのQFCへ。1ドルが1食分だと思うと、すべてが法外に高い気がしてきた。1食1ドル生活者からすれば、1枚9ドルの冷凍ピザは高級品もいいところ。牛乳1本が4食分というのも泣けてくる。ひとまず何も買わずにQFCを後にし、勾配の急な坂を自転車を押して上り、丘の上にあるトレーダージョーズへ移動したら、QFCで4ドルだったハーフガロン牛乳が2ドル75セント。坂道を10分余分に歩いたら1食分浮いた。牛乳、パスタなどを購入。
残金:$73.88

第2週
普段のランチは主に外食だったが、予算1ドルでは外食は無理なので、毎日弁当を持参することに。料理する習慣がない身にはこれが実に面倒。毎晩パスタを2人前ゆでて、買い置きしてあった混ぜるだけでできるたらこパスタを作る日々が続いた。気がつくと3日で6食パスタ。「1食1ドル!」を掛け声にして頑張っていたのに、週末に出掛けたコンサートでビールを飲んでしまい5ドルの出費。ちょっとした油断で2日分の食費が消えた…。帰宅後、自分に猛省を促す。冷凍エビ、ニンジンなどを購入。
残金:$54.57

第3週
ビタミン不足のせいか口内炎が全然治らない。普段なら野菜ジュースでも買うところだが、今は1本飲んだら最低3食は抜かないといけない。血眼になって野菜売り場をうろつく。みかん20個で5ドルというセール品を見つけて即決。帰ってすぐ3個食べる。3週目にしてかなり憔悴していたそんな時に突如、知人からすき焼きパーティへの招待コールが! 数週間ぶりに肉にありつき、ここぞとばかりに栄養補給する。週末の午後にはキャピトル・ヒルへ出かけるも、コーヒー1杯が3食分と思うとカフェにも入れない。歩道につっ立っている浮浪者にやけに同情する。ひもじさに意気消沈していたら、その夜、友人がビールを持って遊びに来てくれた。持つべきものはビール好きの友。豆乳、キャベツ、バナナなどを購入。
残金:$35.26

第4週
週末に大鍋でカレーを作り、3日連続カレーライス。100ドル生活開始2週目あたりには体の栄養不足を訴えたが、4週目になると心の潤いがなくなってきた。夜にはビールの1杯でも飲み、時にはワイン片手に借りてきた映画を見ていた日々を懐かしみながら、窓辺で「諸行無常」「盛者必衰」と呟きつつ、暮れ行く夕陽を眺めて夜を過ごす。そんな折、仕事の納品で訪れたまねきレストランで「遅くまでご苦労様」というねぎらいの言葉とともに、おにぎりと野菜ジュースを頂戴する。真ん丸の大きなおにぎりはひじきがたっぷり入っていて、ひと噛みごとに心の潤いが回復するのを感じた。卵、じゃがいも、ツナ缶などを購入。
残金:$17.06

最終週
週初めの買い物で持ち金が底をついたため、財布を持ち歩くのをやめる。最初は不安だったが慣れると意外と気楽。達成までの残り4日の午後、突然、猛烈にトンカツが食べたくなる。が、そんな余裕はないので、オンラインでレシピを探して大量に買い込んでいたじゃがいもの残りを使ってコロッケを作った。慣れない揚げ物で、コロッケが油の中で次々に爆発し、衣というかぼろ切れをまとったコロッケが16個完成した。1日4個で最終日まで無事生き延びました…。
残金:$0.75

今だったら実行できない、衝撃の体験レポート

記録的な不景気を迎えていた2008年に、節約がテーマの特集を掲載。衝撃的だったのは、スタッフが1カ月の食費を100ドル以内でやりくりするという体験レポートだ。およそ1日3ドル、1食1ドルの生活を、この物価の高いシアトルでチャレンジしたことがスゴい。何食もパスタばかり食べ続けたり、口内炎に悩まされたりしながらも最後までやり通している。体力勝負な企画にエネルギッシュさを感じた。(R)

 

衝撃記事その5 Pray for Japan 東日本大震災被災者に救援の手を!