はい。この制度は「EB-5投資家永住権プログラム」と呼ばれ、1990年に設立されました。この制度は投資家とその血縁関係の家族(配偶者と未婚で21才未満の子ども)にアメリカの永住権の取得を可能にするためのものです。当制度下では、外国人投資家が最低100万ドルの資金を営利事業に投資し、その事業が少なくとも10人の正規雇用を生み出した場合、その投資家に永住権が与えられるというものです。年間合計10,000件の永住権がEB-5カテゴリー枠に割り当てられており、多くの移民投資家に利用されています。さらなる優遇措置として、Targeted Employment Area – TEA (各州に存在する失業率が高い、低所得のエリア)で事業を始め、その特定指定地域の雇用促進に貢献する場合は、永住権取得に必要な投資金額が50万ドルに減額されます。
その他に必要な条件はありますか?
はい。投資資金は合法的に取得されたものであることを証明するため、納税証明書、銀行の残高証明、雇用履歴など、様々な財務書類の提出が求められます。また投資資金は投資家自身が提供する資金でも構いませんし、たとえばEB-5の投資が担保となっていない貸付(ローン)や贈与―たとえば親が子どもに資金を贈与したものーでも構いません。ただし贈与した人も、その資金が合法的に取得されたものであると証明しなければなりません。前述のようにその投資事業が最低10件の正社員雇用を生み出し、さらにその雇用が、少なくとも2年間継続されることが義務付けられています。最後にその投資は、一般的には新規の営利事業を開設することになっており、少数のケースとして既存事業への投資が認められることもありますが、それにはかなり厳しい条件をクリアしなければなりません。
投資を始めたらすぐに移民ビザ、またはグリーンカードを取得することができますか?
いいえ。申請に必要な財務書類を集めた後、まず最初のステップとして、I-526の申請をします。I-526の申請手続きにかかる現在の待ち時間はおよそ12~18カ月です。それが受理されると、海外在住の場合は自国のアメリカ領事館で行われる面接の準備をするようにという指示を受け取ります。もうすでに合法的にアメリカに入国している場合は、I-485(Ajustment of Status Application)申請手続きを行ない、移民ステータスの変更を願い出ます。いずれの場合も、およそ3~6カ月の期間を要します。