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移民局FDNSによる抜き打ち現地査察

移民局内にFraud Detection and National Security Directorate (FDNS) と呼ばれる組織があります。この組織は2004年に創設されたもので、移民法上の不正・偽証申請および国家安全保障・公安に関わる問題を捜査するために、移民局に提出された申請証拠書類が適正かどうか、申請者の住所を直接査察し、様々な手段で調査できる広い権限があります。調査の方法には、申請会社の責任者およびビザ受給者へのインタビュー、各種申請に関連する会社書類の点検などがあります。

FDNSによる現地査察は、Administrative Site Visit and Verification Program (ASVVP)と呼ばれ、移民局が申請者の所在・真偽を確認する重要な手段の一つとなっています。もし現地視察によって、申請者の所在が確認できない、インタビュー・書類点検によって、申請内容の適正が検証できないという場合には、移民局は、先に認可した申請であっても、取り消し・無効とすることができます。

現在ビザ申請において、認可前現地査察が必須となっているビザは、R-1(宗教労働者)ビザのみです。R-1ビザの場合、申請宗教団体が一度現地査察を受けていれば、その後の申請時には認可前の現地査察を受ける必要はないのが原則ですが、移民局は、現地査察の結果の有効性が、どれくらいの期間あるかに関しては、明確な基準を持っていません。また、認可前現地査察のみならず、認可後の査察もありえます。

宗教労働者の場合、2010年会計年度中に行われた査察合計は974件で、そのうち57件が検証できない結果に終わっており、そのうち最終的に32件が取り消し・無効とされました。2005年の調査報告では、33%の申請に不正が見つかっていましたが、その時の状況から比べると、大きく改善されています。

認可後の現地査察として一般的なのは、H-1B専門職ビザです。同じく2010年会計年度中の査察合計は、15,083件で、そのうち2.045件が検証できない結果に終わっており、そのうち最終的に495件が取り消し・無効とされました。移民局は、この数年の具体的な統計を公表してませんが、2010年会計年度よりも、改善はされているようです。この統計からは、H-1B申請の約4分の1が、現地査察を受けたことがわかります。

移民局は、FDNSによる現地査察の対象を、今後L-1、H-2B、Eビザにも広げようとしていましたが、L-1ビザに関しては、2014年会計年度からスタートさせています。L-1ビザの場合、新規オフィス開設時の申請に不正・偽証申請の可能性が多いとの調査結果があったようですが、今回スタートした現地査察が、新規オフィス開設申請のみを対象としているのか、それともL-1申請全般を対象としているのかは、現時点ではわかりません。しかし、このL-1現地査察は頻繁に行われているようで、この2カ月に4回の査察を受けたというレポートもなされています。

移民局内にFraud Detection and National Security Directorate (FDNS) と呼ばれる組織があります。この組織は2004年に創設されたもので、移民法上の不正・偽証申請および国家安全保障・公安に関わる問題を捜査するために、移民局に提出された申請証拠書類が適正かどうか、申請者の住所を直接査察し、様々な手段で調査できる広い権限があります。調査の方法には、申請会社の責任者およびビザ受給者へのインタビュー、各種申請に関連する会社書類の点検などがあります。

FDNSによる現地査察は、Administrative Site Visit and Verification Program (ASVVP)と呼ばれ、移民局が申請者の所在・真偽を確認する重要な手段の一つとなっています。もし現地視察によって、申請者の所在が確認できない、インタビュー・書類点検によって、申請内容の適正が検証できないという場合には、移民局は、先に認可した申請であっても、取り消し・無効とすることができます。

現在ビザ申請において、認可前現地査察が必須となっているビザは、R-1(宗教労働者)ビザのみです。R-1ビザの場合、申請宗教団体が一度現地査察を受けていれば、その後の申請時には認可前の現地査察を受ける必要はないのが原則ですが、移民局は、現地査察の結果の有効性が、どれくらいの期間あるかに関しては、明確な基準を持っていません。また、認可前現地査察のみならず、認可後の査察もありえます。

宗教労働者の場合、2010年会計年度中に行われた査察合計は974件で、そのうち57件が検証できない結果に終わっており、そのうち最終的に32件が取り消し・無効とされました。2005年の調査報告では、33%の申請に不正が見つかっていましたが、その時の状況から比べると、大きく改善されています。

認可後の現地査察として一般的なのは、H-1B専門職ビザです。同じく2010年会計年度中の査察合計は、15,083件で、そのうち2.045件が検証できない結果に終わっており、そのうち最終的に495件が取り消し・無効とされました。移民局は、この数年の具体的な統計を公表してませんが、2010年会計年度よりも、改善はされているようです。この統計からは、H-1B申請の約4分の1が、現地査察を受けたことがわかります。

移民局は、FDNSによる現地査察の対象を、今後L-1、H-2B、Eビザにも広げようとしていましたが、L-1ビザに関しては、2014年会計年度からスタートさせています。L-1ビザの場合、新規オフィス開設時の申請に不正・偽証申請の可能性が多いとの調査結果があったようですが、今回スタートした現地査察が、新規オフィス開設申請のみを対象としているのか、それともL-1申請全般を対象としているのかは、現時点ではわかりません。しかし、このL-1現地査察は頻繁に行われているようで、この2カ月に4回の査察を受けたというレポートもなされています。

[知っておきたい移民法]

神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 また、移民法以外の分野、特に家族法、遺言・検認・遺言状執行、会社設立、その他民事訴訟にも精通する。カンザス州およびワシントン州弁護士会会員、 米国移民法弁護士協会会員。移民法関連のトピックにおいて、たびたびセミナーを開催。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118