不動産投資について
スカイライン・プロパティ―の横部とうごさんに聞く
セカンドハウス購入のメリットを教えて!
シアトルでセカンドハウスを購入する人が多い理由は、不動産投資のひとつの方法として見ているからです。
たとえば、1990年代に20万ドルで購入した、ある家の現在価格は80万ドルにもなります。短期間でのハイリターンを目的にするのではなく、企業年金の401kを積み立てていくように、30代で購入した家を定年になる頃に売り、年金と掛け合わせて老後の蓄えにするという考えです。賃貸にしてその家賃で住宅ローンを支払っても、最初の5年間はトントンか持ち出しになりますが、5年を過ぎると少しずつ利益が出てきます。10年以上持つのが利益を生むコツです。
東に山、西に海と自然に囲まれ、主産業が街の中心から拡散しないという地理的な要因もあり、シアトルの不動産価格は安定傾向にあります。日本の住友林業が戸建住宅事業をアメリカで始めるに当たりシアトルを選んだのも、100万ドル以上の価格帯の家に安定した需要があると見込んだからでしょう。
投資物件について人気のエリアや選び方のコツは?
ロケーション選びは大切です。人口密度の高いシアトル北部は、賃貸の需要が常に高い傾向にあります。バス路線、ハイウェイ、スーパーマーケットなどの近さも考慮しましょう。交通量の多い道に面している家は窃盗、空き巣が多いことに注意しなくてはなりません。ある家は5年間に3度の空き巣に入られています。
シアトル市内の一軒家の家賃は月2,500〜6,000ドルが相場です。コンドミニアム、タウンハウスのほうが購入価格は抑えられるのですが、長期的に見ても評価額が一軒家に比べて上がりません。投資として考えるなら一軒家が良いでしょう。特に古いコンドミニアムは突然、「スペシャル・アセスメント」と呼ばれる修繕費などの支払いを要求されたり、管理組合や住民間で裁判を起こしたりすることもあるので要注意。さらに、毎年上がるHOA(管理費)も念頭に置いておきましょう。
良い物件は突然現れるので、自分に合う不動会社を選び、情報を常時アップデートしてもらうことで希望にかなう家が手に入ります。不動産会社にも専門がありますので、自分のニーズに合った会社を選ぶことです。専門外のエージェントの知識不足から不要な出費を余儀なくされるケースも少なくありません。「日本人だから安心」と何でもかんでも過信せず、各社をインタビューし、よくよく吟味しましょう。管理会社もたくさんあります。一般的に家賃の10%を管理会社に支払いますが、中には管理費を取らない会社も。いろいろと調べたら良いでしょう。Airbnb、バケーション・レンタルは投資には不向きです。趣味であれば良いと思います。
横部とうごさん
日本にアメリカ人を派遣して、50戸以上の家を京都府、滋賀県で設計・施工。一般家屋や商業物件の売買、賃貸から、ビジネスやレストラン売買、買収、投資、リモデルの相談、日本帰国プラン、自己破産の処理、リタイアメントまで対応。
■Skyline Properties, Inc. (Tee Yokobe)
☎206-354-0612
tyokobe@gmail.com