Vol.9 製薬会社での研修
転職して2022年6月から働いている製薬会社でのシフトは、日~水の朝6時から夕方4時半。とはいえ、研修期間となる最初の1カ月は、月~金の朝8時から夕方4時半と、一般的な時間帯に働いていました。製薬会社ではどのような研修・トレーニングを行うのか? もちろん、会社や部署によって異なりますが、僕が経験した研修プロセスを参考までに紹介したいと思います。
人体に直接入る薬は、健康へのリスクなどさまざまなことを考慮して製造されます。そのため、制約・条件は非常に厳しく、アメリカではFDA(米食品医薬品局)を始めとする国の機関が多くのルールを設けています。これらの機関から定期的に監査が入り、製造工程や書類作成などを細かく確認されます。
ルール違反があると、罰金や製造停止などになってしまうので、全社員が気を付ける必要があります。ルールは数冊の本では収まらないくらい膨大で、各社はスタンダード・オペレーティング・プロシージャー(以下SOP)と呼ばれるルールブックのようなものを、業務ごとに異なる番号で用意しています。たとえば、SOP-000101は試薬Aの扱い方、SOP-000304は薬品Bの作り方といった具合。新入社員は個々のポジションに必要なSOPを全て読み込み、理解することで、やっと業務に携われるようになります。
大きな会社では、コンプライアンス・チームとトレーニング・チームが先導し、新入社員研修を行います。新入社員には専用ウェブサイトで業務に関連するSOPのPDFファイルとその理解を試すクイズが割り振られ、それを終わらせるまでは基本的にひとりパソコンと向き合う日々。前述の通り、僕はこの初期研修を1カ月で終えましたが、一般的にも2~6週間ほどと考えられます。その後、実務的な研修があるものの、パソコンで延々とSOPを読んでいるよりは楽しく感じられます(笑)。
実務研修の内容はポジションによって大きく異なるものの、どのトレーニングも基本的に3段階に分かれています。
(1)経験の長い社員のタスクをこなす様子を見て学ぶ
(2)付き添いで見てもらいながら、練習に取り組む
(3)最終試験
、といった流れで行われ、短いものでは数時間で終わることもありますが、長いものでは半年かかることも。トレーニングは、製薬業界では切っても切り離せない大事なプロセスなのです。次回は、労働環境と有給休暇などについてシェアします✌️