ワシントン大学で生化学を専攻していた学部時代、卒業が明確に見えてきたのは2021年の年始でした。3月までの冬学期の授業も決まり、そのあとの6月までの春学期に授業を2コマ取れば終わり、というところまで来たため、本格的に就職活動を始めました。今回は、当時の体験を振り返りたいと思います。
それまで、自分の優先順位が1日も早い大学の卒業だったことと、情報やツテ不足もあり、研究やインターンなどの課外活動は特にしていませんでした。唯一、大学4年時に半年間、スーパーの品出しのアルバイトをしたのみ。とにかくやってみるしかないと、1月からシアトル近郊の製薬会社10社ほどに履歴書を出しましたが、残念なことに全て不採用。面接すらさせてもらえませんでした。
「時期が早過ぎたのかも?」と気を取り直し、履歴書を再度送り出したのは4月に入ってから。卒業予定日が6月8日だったので、残り2カ月で進路を決めなければと焦りが出始めました。約20社30ポジションに応募。やはり卒業間近となると採用数が多くなるのか、そのうちの数社から電話をもらえました。1社に関しては早めに面接を設定してもらい、4月9日に履歴書提出、22日に電話、26日にビデオ面接、29日に内定というスピーディーな展開に。晴れて就職先が決まりました。その後、他社からも連絡は来たものの、すでに1社目でもらった条件に満足していたため、考慮することはありませんでした。
その後のプロセスもスムーズに進み、卒業翌日の6月9日から働き始めることに。ちなみに内定したポジションは、正社員、年収4~6万ドル範囲内の「プロダクション・ケミスト(I)」。人生初の正社員としての内定、しかも卒業前に進路が決まったことで、とてもうれしく、安堵したのを今でも思い出します。
もちろん、インターンやラボの経験があればあるほど、就職活動で強みになることでしょう。しかし、ないものはないので、今自分が持っているもので挑んでみると、意外とチャンスをもらえるかもしれません。僕の場合、3カ国に移り住んできたことなど、適応能力、コミュニケーション力の高さを前面に押し出すことで、経験不足をカバーしました。皆さんにも何か自分の強みがあるはず! 自分を信じて挑戦し続けていきましょう。
次回は、その内定をもらった会社で働き始めてからの仕事内容やスケジュールについてシェアします✌️