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手仕事プランターに魅せられて〜ゆる〜くSDGsな消費者生活

​SDGsとは「持続可能な開発目標」。環境対策や貧困撲滅、ジェンダー平等などなど、大きな目標はたくさんあるけれど、私にもできることって? サステナブルで豊かなおうち時間を目指すべく「地球に、人に、そして自分に優しく」をテーマに、今気になるモノやコトを紹介!

夜の砂漠を思わせるウォルフセラミクスのハーフムーンプランター$62はサボテン君と抜群の相性ちなみに手前はサンドボックスセラミクス最奥はミミセラミクスのプランター

サステナブル(持続可能な)、エシカル(社会に配慮した)、なんて言葉を至るところで目にするようになった昨今、「地元◯◯作家さん手作りのXX」といった手仕事の良さが見直されるようになって久しい。その流れはどうやらアメリカでも本格的になってきたようだ。シアトルにも進出するインテリア雑貨店のウエスト・エルムでは、小規模メーカーやアーティストの雑貨をコラボ・アイテムとして取り扱っているし、同じくシアトルでもおなじみ、ファッション・ブランドのメイドウェルも「ホームタウン・ヒーローズ・コレクティブ」というプログラムを通してさまざまな地域のアーティストの活動をサポートしている。

Photo courtesy of Peaches
​ピーチズのプランターは、オレゴン州の自然をイメージしたデザイン。練り込みのパターンや、夕日のようなグラデーションが美しい。各$50

かく言う私も、旅に出れば地元作家さんのマグや器を買うのが楽しみのひとつだ。オレゴン州ポートランドで買ってきたのは、製陶スタジオ、ウォルフ・セラミクスのプランター。どうやって知ったのだったか忘れたが、「次にポートランドに行ったら絶対に欲しい!」と意気込み、街外れの小さなプラント・ショップまで探しに行き、入手したものだ。オレゴン出身のサラ・ウォルフさんが2016年にスタートさせたスタジオで、日の出や月食を模した幾何学模様のミニマル・デザインが、いかにもポートランドっぽくて気に入っている。中に入れるサボテン(英語ではカクタス)も合わせて購入し、なかなか勇気の要るお値段だったが、毎日目にするたび、水をやるたび、気持ちがウキウキする。

プランターなんて、いくらでも安く買うことができるという考えもあるかもしれない。でも、顔の見える誰かによって丁寧に作られたものは愛着が湧き、長く大切に使っていこうと思える。オレゴン州はほかにも、ミミ・セラミクスやサンドボックス・セラミクス、ピジョン・トウ・セラミクスなど、女性が活躍するスタジオが多く、同じ女性として、なおさら応援したくなる。最近気になっているのは、ジュリア・シャーマンさんとトーマス・スプロットさんの男女ふたりで活動するピーチズだ。環境や社会への影響を配慮したモノ作りに力を入れていると言う。

パンデミックで家にこもっている間に、わが家のサボテン君たちがニョキニョキとかなり伸びてしまった。それぞれ大きな鉢に植え替えを検討している。あぁ、また新しいプランターを入手しなければならない。こまったこまった、次はどんなのを買おう。こんなご時勢だしオンラインでオーダーしちゃおうか。つい顔がニヤけてしまう。ふふふ。

■Wolf Ceramics
https://wolfceramics.com
マグカップなど人気商品はすぐに売り切れてしまうので再入荷情報を要チェック。オンライン・ショップのほか、ポートランド内のインテリア店、マンテル(https://mantelpdx.com)などでも取り扱いがある。

■Sandbox Ceramics
www.sandboxceramics.com
白い砂浜をイメージさせるような風合いと曲線のデザインが特徴。陶芸家の祖母を持つペトラ・カイザーさんが、独学で陶芸を習得しスタジオを立ち上げた。インスタグラムで最新アイテムなどを見ることができる(@sandboxceramics)。

■Mimi Ceramics
www.mimiceramics.com
ミカ・デマルケスさんによるカラフル・ポップなデザインが人気で、フランスや日本にも取り扱いショップがある。シアトルではバラードのセレクト・ショップ、プリズム(https://prismseattle.com)で購入することができる。

■Peaches
www.peachesthestudio.com
独特な淡い色調のグラデーションや、流線型のデザインが印象的なピーチズの作品は、スリップキャスティング(鋳込み成形)という技法で作られている。上記のマンテルや、同じくポートランドのウーンウィンケル(www.woonwinkelhome.com)などで販売。

■Pigeon Toe Ceramics
https://pigeontoeceramics.com
リサ、サマンサ・ジョーンズ姉妹によるスタジオ。スモーキーカラーと極めてシンプルなデザインで、テーブルウエアからインテリア雑貨まで幅広く制作している。

東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。