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シニアの暇つぶし ~ カナダでシニアライフ

シニアがなんだ!カナダで再出発

在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務した後に、2013年定年退職した武田 彰さんが綴るハッピー・シニアライフ。国境を超えるものの、シアトルに隣接する都市であるカナダのバンクーバーB.C.で過ごす海外リタイアメント生活を、お伝えしていきます。

シニアの暇つぶし

かぼちゃを丸ごと煮て余分は冷凍ネットのレシピで簡単にできたが砂糖や塩分を控えたためか日本で食べたほどおいしくない

ホリデー・シーズンを機に、コロナ・パンデミックは一時沈下したカナダにも飛び火。対コロナ規制は長期化し、人を我慢の限界へと追い詰める。ワクチンが出始めるも、当地でシニアが接種できるのは4月以降になりそうだ。アウトドアで続けてきたピックルボールも規制が厳しくなって退屈なこの頃。健康維持のために毎日、YouTubeを見ながらしんどいヨガをしては、わが集合住宅ビル内にある予約制となったジムでトレッドミルやウエート・トレーニングを行い、1週間があっという間に経ってしまう。新型コロナで財政困難に陥った人たちは心労が絶えない日々だと思うと、退職後にこの危機に出くわした自分は幸運だった。しかし、何か楽しいことをして対コロナ戦最終ラウンド(希望)を乗り切りたいとも願う。その手段は今のところ、月並みの外食とテレビだ。

年々上昇する血糖値食生活改善のため朝食は生野菜に果物ヨーグルトプロテインバーか卵1個オートミール砂糖をぎりぎりまで絞ったコーヒー

外食はイヤーマフと手袋をしながら寒いのを我慢して、屋外パティオのある店に行くか、テイクアウト。行くところは決まっている。近所以外では、エスニック・レストランがひしめくウエスト・エンド界隈。日本人シェフによる日本らしい料理がそろう居酒屋Gon’s、とんかつが「サクッ」と美味のSAKU、 天丼の金子半之助、豚骨スープのガムジャタンや石焼ビビンパが当地一のナムサンなど。12月から、和食に特化したミール・キット、ふれいざーミール・キット(by カイジュウ・カーツ)の配達も契約した。「人は故郷に帰る」とよく言われるが、加齢と共に募る和食やアジア料理への渇望をこうして満たしている。

近くのフレンチレストランプロバンスで好物のクレームブリュレを食すさすがフランス料理日本と同じく見た目重視デザートは週1回に抑えるよう最大限努力中

テレビは日本の連続ドラマをビンジ・ウォッチング。つまり、日本で言うところの「イッキ見」をしている。巣ごもり生活で浮いた旅行代を使って55インチのテレビを買い、北米の日本語ケーブル放送であるテレビジャパンほか、インターネット配信でも観ている。かつてに比べ、俳優の演技が自然になったように思う。役者の迫真の演技には感心する。喜劇はギャグのおかしさが英語と違って即伝わるのでげらげら笑う。

映画では「新聞記者」(2019年)がリアルで良かった。いわゆる「同調圧力」と言った日本社会独特の現象に焦点が当てられている。ドラマ「半沢直樹」シリーズなどでも扱われているが、この映画は実話に基づくだけあり、現実味があった。主役を引き受ける日本人女優が見つからなかったと聞くと、悲しいかな、より真実っぽい。韓国人女優、シム・ウンギョンは立派だし、最優秀主演女優に選んだ日本アカデミー賞にも拍手を送りたい。この物語は今年、Netflixでドラマ化され、大好きな米倉涼子が主演すると聞く。

韓国スーパーHマートで日本食を調達歩いて10分で行けるので毎週通うついでに食堂コーナーにあるザックザックカレーでテイクアウトゴミが増えるプラスチック容器が気がかりだが来年から規制される模様
パンデミック中も何でも配達してもらえるのは便利ただこんなに小さな中身を配送するのに釣り合わない大型段ボール箱と詰め物を使うのはいかがなものかと思う

映画のように、日本社会の体制は今後もずっと不変なのだろうか? 多くの人が「仕方がない」で済ませてしまうのは悔しい。バブル崩壊後の日本では圧力に従わないと生きていけないのか。これまで圧力と戦ってきた芸能分野における勇気ある人々のさらなる活躍が期待される。

デリバリーも利用している初めて試した日本食フードカートたけなかのちらしは懐かしい味わいでもプラスチック容器が捨てられなくてたまってしまう
滋賀県生まれの団塊世代。京都産業大学卒業後日本を脱出。ヨーロッパで半年間過ごした後シアトルに。在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務。政治経済や広報文化などの分野で活躍。ワシントン大学で英語文学士号、シアトル大学でESL教師の資格を取得。2013年10月定年退職。趣味はピックルボールと社交ダンス。