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後回しにして後悔しないための自分への問いかけ

最近、老後についての準備(遺言状の作成、物を減らすための掃除など)や、万が一に備えて、家族が困らないようにするための準備(緊急連絡先の作成や、保険への加入など)についてお話を伺う機会が多いのですが、「やっておかないと! と思っていてもなかなか取りか かるのは難しい」という声を多くの方から聞きます。「やろうやろう、と思っているけど、つい後回しにしてしまう。やらないといけないのは分かっているけれど、気持ち的にのらないので、実際の行動に移せない」。そんな風に思う事は、子どものころの宿題や、毎日の仕事、キャリアを考えたときの資格取得など、色々な場面で誰しも経験したことがあるのではないでしょうか?
人間が積極的に行動を起こすには、1)今い る状況が危機的でどうしてもそこから抜け出す必要がある場合、いわゆるお尻に火が付いた状態、または2)その行動をとることによって大きな報酬を得られるという場合、つまりモチベーションが高いこと、この2パターン が主な理由として考えられます。いずれにせよ優先順位・プライオリティーの高さによって、行動指標が決まってくるといえますが、何を基準にして順位をつけるのかはその時の状況、個人の価値観によって異なります。
例えば、「ダイエット、エクササイズをしなければ!」と思っている方がいたとします。「きれいになりたい」という願望だけで頑張れる人と、「この夏、日本で同窓会があるから」といった理由と期限が必要な人がいます。また、「医者から食生活を改め、痩せろといわれた。次の検診までにコレステロールの値を○○まで下げないといけない」という、自分の健康・生命に関わってくる理由と明確な目標値がなければ、行動に移せない方もいます。人それぞれ理由はありますが、多くの人にとって「きれいになりたい」よりも「死にたくない」のほうがダイエットに取り組む本気度が格段にあがる傾向があるといえるでしょう。
死ぬ事を考えるなんて縁起でもないと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「もし、自分が明日死んでしまったら?」と想像したとき、人生を悔いのないように過ごしたいと思ったり、家族のためにこれはやり遂げておかなければと気を引き締める事ができるのではないでしょうか?
スティーブ・ジョブスは、毎朝鏡を見て、「今日が人生最期の日だとしたら、今日する事は自分が本当にしたいことなのか?」と自分に問いかけ、その問いに対しての答えが「No」という日が続くのだったら、それは何かを変えなければならないという意味だ、と言っています。
人生においてチャンスは限りあるもので、自分に残された時間が限られていると分かっていれば、それだけ積極的・能動的になれるのです。後回しにして今自分が死んでしまっても後悔しないのであれば、それで良し。後悔しそうだな、と思ったら、自分に活を入れて頑張ってみる。死を意識することで、自分の生に積極的に向き合って過ごせるのではないでしょうか?

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