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アメリカでのインターンシップ 〜アメリカの大学を知ろう

アメリカの大学を知ろう

日本とは全く異なるアメリカの大学事情を専門家がわかりやすく解説!
現地校生にもアメリカ留学希望者にも役立つ情報がたくさん。

アメリカでのインターンシップ

新卒採用のないアメリカでの就活事情

日本では一般的な、新卒一括採用というシステムは、アメリカにはありません。新卒枠がないので、就活する学生は在学中からインターンシップなどを経験し、履歴書に書ける実績を作っていきます。

インターンシップは夏休みの間、もしくは1学期間の休学をして、フルタイムとして経験する以外に、大学に通いながらパートタイムとして行う場合などもあります。現地学生ですと、自分の状況に合わせて選択肢がいろいろとありますが、留学生の場合はイミグレーション上の規定を考量していく必要が出てきます。

留学生がインターンシップで働くには?

学生ビザ(F-1)で大学に通う留学生の場合は2つの制度の下、キャンパス外で働くことが可能になります。

以前に当コラムでも紹介しましたOPT(Optional Practical Training)制度では、学位取得後に1年間(条件によって異なる)働くことができます。また、CPT(Curricular Practical Training)制度を活用すると、卒業前に専攻に関連した分野で働くことが可能です。CPTは、フルタイムの学生として1年間在籍してから、カリキュラムの一部として単位を取得することができます。

CPT制度でインターンシップを経験

エドモンズ・カレッジからニューヨーク市立大学に国際学専攻で編入した石井 隆くんは、エドモンズ・カレッジに在籍中の2019年秋学期に、CPT制度を利用して在シアトル日本国総領事館にてインターンシップを経験しています。その時の話を聞いてみました。

●インターンシップをしようと思ったきっかけは?

大学で自分の専攻を勉強していくうえで、民間での国家間の関わりはもちろんなのですが、国家の政府間でどういったことが行われているのか実践的に知りたいと思いました。また、以前から興味のあった国家機関で仕事を体験することは、将来のキャリアプランについて具体的にイメージする機会になると考えました。

●インターンシップの実際の内容は?

インターンでは総領事館経済・広報班の一員として入りましたが、活動内容は多岐にわたります。まず、Facebookや総領事館のホームページなどを通して日本の文化や伝統を紹介する仕事があります。そして、『シアトル・タイムズ』といった地元紙などを情報源として、現地の経済活動を分析し、報告することもしました。そのほか、公邸で行われるレセプションのメモ取りや受付、料理運びといったことや、日本文化の広報イベントのお手伝いもしていました。

●インターンシップのスケジュールと、授業との両立について

2019年秋学期の9月下旬から12月中旬までの約2カ月半、週2日で1日8時間ほどインターンをしました。インターンの日は授業を入れないようにしていましたが、当時は学校内でアルバイトもしていたので、両立はなかなかハードでした。CPT制度でのインターンは学校の授業としてカウントすることができたので、その点ではずいぶん助かりました。

●インターンシップ中、特に印象に残ったこと

いちばん印象に残っているのは、柔道家でオリンピック・メダリストである中村美里さんにインタビューをして、ホームページに載せるための記事を書いたことです。個人的にあまりスポーツに興味があるほうではないのですが、オリンピック・メダリストのスポーツや東京五輪に対する情熱を直接聞くことができ、感激しました。

●インターンシップを終えての感想

総領事館としての日米間における企業活動促進への取り組み、文化や草の根交流の支援、広報といった仕事の現場を生で体験でき、ほかでは得難い経験を得られました。いろいろと教えてくださった総領事館職員の方々と、学校の先生方の支援には感謝が尽きません。ここで培った経験が今後の人生の中で糧となるように、努力を続けていきたいと思います。

クローチ 貴子
2011年よりアソシエイト・ディレクターとしてエドモンズ・カレッジにて勤務。1999年に夫、1歳半の息子とアメリカ移住。子育てに専念した後、息子の中学入学を機に以前から興味のあった教育分野へ。現在は入学から進路、イミグレーションのアドバイザーを務める傍ら、日本文化クラブのアドバイザーとして日本文化を学内や地域に広めようと学生たちと共に活動中。