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第32回日本の親が自宅での介護を希望。何をどうすればいいの? ②環境整備編〜日本の親は大丈夫? アメリカからの遠隔介護

アメリカ在住者に向けて日本の介護・お役立ち情報をお届け!

第32回 日本の親が自宅での介護を希望。
何をどうすればいいの? ②環境整備編

前回から全3回でお届けしている自宅での介護(以下、在宅介護)について解説します。在宅介護では、環境整備がとても重要になります。環境整備には、自宅の改修などのハード面と、各種サービスの活用といったソフト面がありますが、シリーズ2回目となる今回は住宅改修に焦点を当てます。中でも、高齢者の住環境整備にかかる費用の一部を助成する「高齢者住宅改修費用助成制度」について紹介します。

全ての要件を満たせば、工事費用を上限20万円まで助成

自宅での生活に支障が出たり、介護が必要になった場合、自宅を改修するための費用に対して、介護保険制度による補助を受けられる場合があります。これが「高齢者住宅改修費用助成制度」です。在宅で生活する65歳以上の高齢者で、住宅改修が必要と認められた場合、上限20万円までの工事費用が助成されます。ただし、この制度を利用するには、いくつかの要件を満たす必要があります。

【給付要件】

• 要支援または要介護認定を受けていること
• 改修対象の住宅と被保険者証の住所が同一であること
• 本人が実際にその住所に居住していること

対象となる工事内容】

• 手すりの取り付け
• 床段差の解消
• 滑り防止や移動の円滑化のための床材の変更
• 開き戸から引き戸などへの扉の取り替え
• 和式便器から洋式便器への取り替え
※道路から玄関までの屋外部分の工事も対象になります

なお、給付を受けるためには、工事前に申請手続きが必要です。また、ケアマネジャーに改修理由書を作成してもらう必要があります。その他の条件や提出書類など、詳しくは地域包括支援センターや担当ケアマネジャーに相談しましょう。

「高齢者住宅改修費用助成制度」の
申請手続きと全体の流れ

この制度を利用するには、申請が必要となります。おおまかな全体の流れは次の通りです。
① 要介護・要支援認定を受ける
② ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談
③ 住宅改修の申請
④ 市区町村による審査
⑤ 給付の可否決定
⑥ 工事開始
⑦ 工事完了後、必要書類を提出
⑧ 給付金の支給
工事完了後の必要書類に不備がなければ、給付限度額20万円の範囲内で、工事費の一部が市区町村から給付されます。所得に応じて自己負担割合は1割・2割・3割に区分されており、たとえば1割負担の場合は工事費の90パーセントが支給され、自己負担は10パーセント(20万円の工事なら2万円)となります。2割負担であれば80パーセント、3割負担であれば70パーセントが支給されます。なお、自治体によっては独自の支援制度を設けている場合もありますので、詳細については担当のケアマネジャーや、お住まいの地域の高齢福祉課にお問い合わせください。
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横畠 文美
一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース @salon_de_hearth