ルーメン・フィールドを本拠地として米プロサッカーリーグ、MLS（メジャー・リーグ・サッカー）を戦うシアトル・サウンダース FC にはW 杯出場濃厚な選手も複数所属。今シーズンは 10月9日（日）まで試合が行われ、サウンダースは同 15日（土）から始まるプレーオフ出場も期待されています。以下、8月14日に行われたサウンダースのホームゲームを通して、サッカー観戦の楽しみ方を解説します。
☞ サッカーの基本的なルールを把握しよう
サッカーは相手のゴールにボールを入れれば得点となり、前後半 45 分ずつ、計 90分の試合で得点の多いほうが勝ち。さらにファウルやオフサイド、ロスタイムなど独特なルールが加わり、試合が動いていく。
たとえばこの試合では前半 11 分、サウンダースに所属し、チリ代表でもあるラウール・ルイディアズ選手が相手ネットを揺らした。ホームのファンは歓喜の渦。しかし、数分後にVAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）が介入し、直前のパス交換でオフサイドがあったとしてゴールは取り消しに。
オフサイドとは、ゴール前での待ち伏せを防止するルールを指す。判定の仕組みは少し複雑なのだが、観戦する側としては、ピッチサイドに立っている審判に注目するとわかりやすい。審判が旗を上げたら、攻撃側に反則があったと理解できる。
VAR はここ5、6 年で一般的になってきたシステムで、ゴールやレッドカードなど試合の行方を左右する大事な判定をビデオで見返し決定する。数々のプロリーグ、国際大会ほか、今回の W 杯にも採用されており、審判団のミスを減らすテクノロジーに注目だ。
☞ 試合結果は3種類
ホームのファンのため息が落胆に変わったのは前半 32 分のこと。対戦相手のレアル・ソルトレイク所属でベネズエラ代表のセルヒオ・コルドバ選手が見事な技術で先制点を決めた。 サッカーの試合では勝ち、負け、引き分けの3 種類の結果に分かれるが、1 点が重いスポーツであることを裏付けるデータも見られる。先制点を取ったチームの勝率はなんと約 3 分の2！ しかし残りの3 分の1は引き分けまたは逆転に持ち込めるという意味でもある。応援しているチームが先制点を取られても、チャンスは残されている。 この試合、前半はその後あまり動きがなく終了。15 分のハーフタイム休憩を挟み、後半開始となった。サウンダースは今シーズンのプレーオフ進出のために、なんとか勝ち点が欲しいところだ。
☞ 勝ち点って何？
サウンダースが戦うMLS 西地区は14チームから構成され、シーズン終了後の成績上位 7チームが、地区優勝を決めるプレーオフに出られる。そして東地区・西地区の優勝チーム同士で決勝戦が行われ、勝者がプレーオフ優勝チームとなる。その成績を決めるのが勝ち点だ。勝利すると3、引き分けなら1 入るが、負けたチームに勝ち点は入らない。
せめて勝ち点 1（引き分け）が欲しいサウンダース。ついに後半 17 分、待望の同点弾が！ スロバキア代表のアルバート・ルーズナック選手が、相手のディフェンスの隙を見逃さずに決め切った。スタジアムはこの日いちばんの盛り上がりに。
しかし、その直後の後半 19 分にソルトレイクのアンドリュー・ブローディー選手がゴールを決め、チーム2 点目を獲得。終了間際まで怒涛の反撃を見せたサウンダースだったが、1対2のままで試合は終了し、ソルトレイクに勝ち点3を献上してしまった。
W 杯では、グループリーグの試合 90 分で勝利チームに勝ち点 3、引き分けの場合は両チームに勝ち点 1 が与えられ、勝ち点の多い順に2チームがグループリーグ勝ち抜けとなる。しかし、勝ちか負けしかない決勝トーナメントに進むと、試合 90 分で引き分けの場合は延長戦に。
☞ 延長戦とPK戦とは？
延長戦は前後半 15 分ずつ、計 30分行われ、それでも決着が付かない場合は PK（ペナルティーキック）戦となる。
PKとは、ゴール近くの定められた場所から、各選手がゴールキーパーのみを相手にシュートすることを言う。PK 戦では両チーム 1 人ずつ交代で蹴っていき、5 人目の段階でより多くのゴールを決めたチームの勝利。5人目までの成功数が同じ場合は、サドンデスとなり、どちらかが同ラウンドで失敗するまで行われる。
応援するチームがトーナメントに進出した場合、延長戦やPK 戦も見越して、3 時間は観戦スケジュールを確保しておこう。
