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ちょっと物足りない娯楽大作
Jurassic World: Rebirth
(邦題『ジュラシック・ワールド/復活の大地』)
32年前に誕生し一大ブームを巻き起こした『ジュラシック・パーク』(1993)から続くシリーズ第7作目となる最新作。独立記念日を祝う週末を狙った家族向けの娯楽大作で、予想を超えるヒットとなった。監督は2014年の『GODZILLA ゴジラ』を成功に導いたイギリス人のギャレス・エドワーズ。舞台は2022年公開の6作目『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』のその後の世界。人々の恐竜への関心はすでに薄れ、恐竜たちは隔離された熱帯地域でのみ生息している。そんな中、製薬会社の営業マーティン・クレブス(ルパート・フレンド)が、秘密工作を専門とするゾーラ・ベネット(スカーレット・ヨハンソン)に接触する。目的は、恐竜のDNAサンプルの入手。サンプルを用いて不治の病を治すワクチンを開発できるとし、大金を提示して彼女を説得する。ベネットは、古生物学者のヘンリー・ルーミス博士(ジョナサン・ベイリー)、実行部隊リーダーのダンカン・キンケイド(マハーシャラ・アリ)らを招集し、立ち入り禁止の島へ向かう。航海中に恐竜の襲撃を受けつつも、かろうじて最初のサンプルを入手。さらに道中で救出した家族も仲間に加わり、恐竜に追われつつ命からがら上陸を果たす。犠牲者を出しながらも、彼らの前途多難なミッションが幕を開けるのだった。
登場人物は全て新キャラクター。恐竜と人間との対峙を描くシンプルな構成で、第1作目を彷彿とさせる。出演者が多すぎた前作の反省から、原点回帰を図ったのかもしれない。本シリーズの特徴は、恐竜で金儲けを目論む人物(悪役)と、恐竜を守ろうとする学者ら(正義)が対立するというパターン。だが、本作は製薬会社とその利害を共にする工作員たちが主人公側として描かれる。人間が初めて恐竜のクローンを作って30年以上が経ち、恐竜はもはや最強で怖い存在だが殺すのはかわいそうという善悪図式ではなく、共に生きていく道を探ろうという世界観にシフトした物語になっている。
とはいえ、物語にはやはり悪玉は必要で、当然ながら強欲で冷血な製薬会社のクレブスがサンプルに固執し混乱を引き起こす。一方、屈強な男たちのリーダーを務めるベネットを演じるヨハンソンは小柄だが自信に満ち、説得力ある演技とアクションで作品を牽引していた。
終盤には、突然変異で生まれたディストートゥス・レックスが登場。インジェン社のクローン実験の失敗により誕生した変異種で、島に残された秘密研究施設の崩壊後も生き延びていた。このシーンでは破壊と攻撃の連続が派手に描かれるが、この時点で観客はすでに恐竜アクションを堪能しきっていた感もある。むしろ、問うべきは、なぜこのような事態に至ったのか? 人間が命をもてあそび放置した結果としての企業の責任や人間の傲慢さをより明確に描くべきではなかったか。
家族連れで満席となったシアターは、これぞ夏休みの娯楽と思わせてくれるにぎわいだった。しかし、多くの子どもたちが見る娯楽作品だからこそ、伝えるべきメッセージを際立たせてほしかった。それが見えないアクションはどこか虚しく、物足りなさが残る一本となった。
Jurassic World: Rebirth
(邦題『ジュラシック・ワールド/復活の大地』)
写真クレジット: Universal Pictures
上映時間:2時間13分
シアトル周辺ではシネコンなどで標準、3D、3D PX RPX、PX RPX、ScreenX等にて上映中。










Jurassic World: Rebirth 







