レドモンドの森に静かに佇む神護寺では、年中行事に加え、新しく七福神の水かけ供養を始めた。天空を覆う常緑樹木に覆われた寺脇の丘陵に、ぐるっと輪を描いて七福神が祀られている。インド、中国、日本とそれぞれにルーツが異なる福の神様が勢揃い。小ぶりだが姿の良い石像で、一つ一つの表情にご利益が漲っているようだ。
住職の福田一陽師が手桶の水を石像にかけ、真言を唱えて回る。新年は参詣者が自ら水をかけて願をかけることができるそうだ。参詣を機にそれぞれの神様の由来や役割を福田師に教えてもらうのもいいだろう。
大晦日の法要は午後11時半から。その後で新年についての簡単な法話がある。読経と短い瞑想の後、ミニ梵鐘を参詣者全員で108回叩いて旧年中の心の汚れを取り除く。
元旦は午前11時から5回にわたって初祈祷が予定されており、新しい年の平安と息災が祈願される。参詣者には甘酒が振舞われ、用途別のお守りやお札も購入できる。
神護寺は、弘法大師を祖とする真言宗のお寺。福田師は「真言宗は祈祷を中心に据えた宗派です。仏様にただすがるという受動的な姿勢ではなく、仏の超自然的な力を、祈祷や瞑想により積極的に拝領して信者みずからが仏と一体になる一助とします。仏のイメージを瞑想のツールとして使うのです」と言う。同様に、様々な神仏の姿について「浄土真宗のお寺に行くといつも中央にいるのは阿弥陀様。真言宗の主本尊は大日如来ですが、大日如来が常に真ん中にいるとは限りません。お寺によって不動明王であったり観音菩薩であったりしますが、それはそれでよいのです。なぜならそれらの仏様は全部ご本尊が形を変えた姿なんですから」と説明してくれた。
神護寺では毎月祈祷祭を行い、神仏の霊をお寺の中に降ろす。大黒様は商売繁盛、愛染様は縁結び、薬師如来は病気平癒と、対象となる神仏はテーマによって異なる。同寺の祈祷祭の特色は、その日に先だって最低7 日間、福田師が特別祈祷をしてご神託をいただくのだそうだ。だから前もって願い事を書いてもらえば、祈祷の結果を個別に教えてくれるという。
福田師は、定期瞑想、墨絵のほか、写経も要望があれば教える。新年度はチャクラヒーリング瞑想クラスや仏教講座を開講する予定。奥様の恵美さんは薬膳、漢方を受け持つそうだ。
12月31日 大晦日法要 11:30pm ~
1 月1 日 新春不動明王息災祈祷祭 11am、 12pm、
1pm、 2pm、3pm
Jingoji Buddhist Temple
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