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無料で気軽にビジネス相談!〜シアトルの知恵ノート

知恵ノート

知っておくと暮らしが豊かになるヒントを、シアトルで活躍するさまざまな専門家の方に聞きます。

無料で気軽にビジネス相談!

「起業したいと思っても、何から始めれば良いのかわからない」。そんなワシントン州在住の日本人、日系人を対象とする相談窓口が、ワシントン州日米協会の新プログラムにより開設されました。リソースの提供から会計ソフト指導まで、内容の一部を紹介します。

ワシントン州日米協会

経済交流を中心に日米間の架け橋となって100年以上。2020年には、日本語話者のサポートを目的にスモール・ビジネス・レジリエンシー・プログラム(SBRP)を発足。ワシントン州商務省による、州内を拠点とする日本人、日系人の小規模事業・個人事業主を支援するプロジェクト、スモール・ビジネス・レジリエンシー・ネットワーク(SBRN)の多言語プログラムのひとつとして、日本語で情報提供を行う。

Japan-America Society of the State of Washington
3010 77th Ave. SE., #102, Mercer Island, WA 98040
☎206-374-0175
smallbiz@jassw.org
https://jassw.org/small-business

日本語に対応する起業相談の場、「SBRP」

写真左からデールワタナベさん松本加奈子さんスミス美季さん

ワシントン州日米協会によるスモール・ビジネス・レジリエンシー・プログラム(SBRP)は、2020年にワシントン州商務省とパートナーシップを結び、州の個人事業・小規模事業を支援する多言語プロジェクト、スモール・ビジネス・レジリエンシー・ネットワーク(SBRN)の一環でスタートしたプログラム。発足以来、TA(技術支援)やコンサルティングを通して、日本語を母語とする日本人、日系人のビジネスをサポートしています。

私たち在米の日本人、日系人は、マイノリティーであることで、ビジネスを始めるにも多くの壁が立ちはだかります。言葉の壁はもちろんのこと、事業年数が足りない、クレジット・ヒストリーがないということでローンが組みづらいことも。現在、ワシントン州政府はマイノリティーの援助に力を注いでおり、コロナ禍で経営難に陥った事業所への助成金ほか、新たな手助けの方法を模索しているところです。SBRNを運営する委員会には、ワシントン州日米協会のスタッフも2名も属し、日本人、日系人の声を州政府に届けています。

無料の会員制度とワークショップで知見を広げる

写真左の通訳のフレッドハリマンさんを含むSBRPメンバー総勢4人でサポート

SBRPには、スモール・ビジネス・エンパワーメント・アカデミー(SBEA)と呼ばれる会員制度があります。ワシントン州日米協会は、ビジネスの基礎を専門家から日本語で学べるウェビナーやワークショップ、その他イベントを不定期で開催していますが、会員になると参加申し込みが優先されます。また、録画したウェビナーの視聴も可能です。週1回、会員向けに発行するニュースレターには、役立つ情報が満載。ビジネスの新店舗、移転、セールなどの告知もできます。しかも、会員登録は無料です。

2023年8月から月1回、主に月末の金曜日に、対面式で1人当たり1時間の個別相談ワークショップも実施。担当する専門家のひとり、松本加奈子さんは、SBRPのリードアドバイザーでCPA/CFE。税金や会社設立など、ビジネス全般について相談を受け付けています。法律や保険といった、より専門的な分野では、別の専門家を紹介する形になります。毎回、中小企業、個人事業主の方はもとより、これから事業を始める方、新業態に変えたいと考えている方など、多くの相談者が訪れます。

もうひとり常駐する専門家、ハリマン高代さんは、QuickBooksのプロアドバイザーの資格を持ちます。従業員50人以下のスモール・ビジネスにおすすめのQuickBooksは、最も広く使われている会計ソフトのひとつで、安価なうえ、在庫管理や他ソフトとの連携も簡単。その汎用性から、YouTubeにも使い方を説明する動画はごまんとありますが、しっかり扱えていない方も見受けられます。ワークショップではプロアドバイザーと共に問題解決ができ、最近は参加者同士の同業種・異業種交流がかなうとして評判です。

毎週のポッドキャスト配信にも注目

日本人コミュニティーのビジネスの相談窓口に

2023年2月から、「JASSW Small Business Bites」というポッドキャストを、ほぼ週1回ペースで配信しています。これは、あるビジネス・オーナーの方からの「SNSなど文字を追う時間はないが、聞き流しのようなものなら利用したい」というアドバイスを元に始まった新サービスです。

最低賃金の変更、EV車の税額控除、今年7月からワシントン州で導入された全米初の長期介護保険制度「WA Cares」といった最新情報から、チップの歴史、燃え尽き症候群の話まで、取り扱うテーマは多岐にわたります。通勤や調理の際の隙間時間に聴きやすいように、毎回15分程度に収めています。

今ではワシントン州在住の日系ビジネス・オーナーのみならず、日本からのリスナー、アメリカ人のリスナーも増加中。日本人の方からは「専門分野ではないテーマであっても、15分程度なので楽しく聴ける」という声、アメリカ人の方からは「テーマの内容はわかるので、日本語の勉強になる」という声も寄せられます。ポッドキャストはApple、Spotify、Amazon Music、Google、iHeartで配信中です。

ビジネスを始めたい方へ

起業するのは簡単ではありません。覚悟が必要ですし、アメリカでは言葉や習慣の違いからハードルはますます上がります。「なぜ起業するのか?」と自問し、成功に必要なコミットメントと特定のスキルを備えることが大切です。まずは、ビジネスの事業計画から。綿密な計画を立て、十分なリサーチを行いましょう。

ワシントン州では「準備状況評価ガイド(Readiness Assessment Guide)」など、オンラインで手に入るツールも多く用意しています。また、ガバナーズ・オフィス・フォー・レギュラトリー・イノベーション・アンド・アシスタンス(ORIA)が提供するスモール・ビジネス・ガイドも利用価値大。事業の始め方からたたみ方まで、日本語でひと通り説明があるので、ぜひご活用ください。詳しくはウェブサイト(www.business.wa.gov)にて。疑問点などはワシントン州日米協会までご連絡を。