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2023年移民法最新情報まとめ〜知っておきたい身近な移民方

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) 五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

2023年移民法最新情報まとめ

●グリーンカードと就労許可証に新デザイン導入

移民局は、セキュリティー改善のため、グリーンカードと就労許可証(EAD)に新しいデザインを導入したことを発表しました。新デザインのカードは2023年1月30日から発行されていますが、旧デザインのカードもストックがなくなるまで発行され続けます。旧デザインでカードが発行された場合でも、Form I-9(Employment Eligibility Verification)やE-Verifyなどの雇用資格の確認に問題が生じることはありません。

また、新デザイン導入によって、すでに発行されたカードが無効になることもなく、変わらず有効期限まで使えます。有効期限のない古いグリーンカードを持つ場合も、グリーンカードは失効しません。しかし移民局は、カードを紛失したり、盗難に遭ったりした場合の詐欺や改ざん、偽造を防ぐため、新しいカードの申請を勧めています。

新デザインとなったグリーンカードとEADには、最先端のテクノロジーにより、国家安全保障と申請者に対するサービス向上を目的とした詳細なアートワークや触覚プリンティングが施されています。また、データが表示される部分も、以前のバージョンとは異なります。

●グリーンカードのアジャストメント申請フォームが新バージョンに

昨年12月23日、移民局はグリーンカードのアジャストメント申請に使用するForm I-485(Application to Register Permanent Residence or Adjustment Status)の新バージョンを発行しました。この日以降に提出する申請には、新バージョンの使用が義務付けられます。申請フォームの左下に「Form I-485 Edition 12/23/22」と記載があることを確認してください。

新バージョンには、以前のバージョンにはなかった質問が追加されています。新バージョンを使わない申請は受け付けられませんのでご注意ください。

●健康診断書に関する注意点

アメリカ国内でグリーンカードのアジャストメント申請を行う場合、移民局指定の医師による健康診断が必要です。移民局は、申請を円滑に進めるため、医師が署名した健康診断書、Form I-693(Report to Medical Examination and Vaccination Record)をアジャストメント申請と一緒に提出するよう呼び掛けています。

通常、健康診断書は、医師が署名してから60日以内に提出しなければなりませんが、移民局はこの60日ルールを2023年3月31日まで免除しています。つまり、医師が署名してから60日を過ぎた健康診断書でも、3月31日までは有効です。しかし、健康診断は医師が署名した日から2年間有効とされているため、Form I-485を提出する直前に健康診断を受けることを勧めています。

2年が経過してもアジャストメント申請が審査中の場合は、新たに健康診断書の提出を求められます。

●2年間有効な条件付きグリーンカードの条件削除・免除申請期間中のステータス延長

アメリカ人やグリーンカード保持者との結婚を通してグリーンカードを取得した外国人配偶者は、結婚後2年以内にグリーンカードを取得した場合に限り、2年間有効な条件付きグリーンカードが与えられます。

条件を削除するためには、条件付きグリーンカードの有効期限が切れる90日以内に、外国人配偶者とそのスポンサー配偶者が条件を削除する申請を共同で行います。離婚や配偶者が亡くなったなどの理由により共同で申請できない場合は、免除申請が可能です。どちらの申請も、Form I-751(Petition to Remove Conditions on Residence)を用います。

申請提出後、移民局が発行する申請受理書には通常、申請期間中はステータスを最長24カ月延長すると記載され、申請期間中にグリーンカードの有効期限が切れても、そのカードと申請受理書を合わせて永住者であることを証明できます。しかし、過去1年間の審査期間が長引いていることから、移民局は2023年1月25日以降に発行された申請受理書に、ステータスを最長48カ月延長すると記載し始めました。

すでに提出済みで、現在も審査過程にある申請に対しては、48カ月延長すると記載した新たな通知が発行されます。申請者は審査期間中にグリーンカードの有効期限が切れても、そのカードとこの通知を合わせて48カ月間はアメリカ国内での就労も短期間の海外への出国も可能となります。

 

神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 また、移民法以外の分野、特に家族法、遺言・検認・遺言状執行、会社設立、その他民事訴訟にも精通する。カンザス州およびワシントン州弁護士会会員、 米国移民法弁護士協会会員。移民法関連のトピックにおいて、たびたびセミナーを開催。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118