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老人ホーム入居、親にどうやって切り出せば?
日本に離れて暮らす高齢の親。「最近、階段や坂道がつらいと言い始めた」、「認知症の症状が出ていて、生活が心配」などの理由で、老人ホームに入居してほしいと思っても、どうやって話を切り出したら良いかわからない。そんな声が多く聞かれます。今回は、高齢の親と具体的な話をする際のコツをご紹介します。
気を付けたい3つのポイント
「説得しない」「直球を投げない」「押し付けない」
誰でも高齢になればなるほど身体能力が衰え、日常生活に支障が出てくるもの。親の今後を考えれば、生活のサポートがある老人ホーム入居は、家族にとって当然の選択肢のひとつです。では、どのように親に話せばいいのか? スムーズに事を進めるためにも、次の3つは避けるようにしましょう。
① 親を説得しようとする
② ストレートに結論から話す
③ 家族の希望を親に押し付ける
高齢者は長年生きてきた経験から、自分の考えと尊厳を持っています。家族が説得したり、先に結論を出して押し付けたりすると、話を受け入れるどころか、頑なになってしまいがち。そして、一度拒絶したが最後、話すら聞いてくれないケースも。困った事態に陥らないよう、くれぐれも注意してください。そのうえで、普段の親子の日常会話で折に触れて「老後」の話を挟んでいくのが正解。お互いに気持ちが重くならず、老人ホーム入居についても話しやすくなってきます。
老後の話はタブーではなく、親を思うからこそ必要。早めに話し合いをすることで、情報収集や検討のための時間もでき、余裕が生まれます。この機会に、ぜひ試してみてください。
ゴールを設定して家族の役割分担を決めておく
親と家族で話し合っていると、話が横道にそれてしまうことが多々あります。「親が安心して暮らせること」を目指していたはずが、感情のもつれでケンカになっては台無し。これを防ぐには、事前に「ゴール設定」をしておくことが大事。また、家族をチームと捉え、それぞれ役割分担をしましょう。
医療や介護のサポートなどはプロに任せたとしても、家族の役割は意外と多いものです。たとえば、介護保険の申請準備、ケアマネジャーやかかりつけ医への対応、入院時の医療機関とのやり取り、自宅介護か施設入居かの決断といったことを、各分野の専門家と相談しながら進めていくことが求められます。
高齢の親の暮らしを支えていく日々は短期に終わらず、長く続きます。親本人の希望を聞きつつ、家族でいくつもの事柄を決定していかなければなりません。一部の家族にだけ負担が偏らないように、誰が何をするのか、各自の役割をしっかりと確認しておきましょう。
親には親の、家族には家族の生活と人生があります。家族間でもめることなく、みんなが納得できるのがベスト。最良の選択を心がけたいものですね。
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