バンクーバーから小旅行
~サンシャイン・コーストとバンクーバー島~
ピックルボール仲間に招かれ、友人2人とホースシュー・ベイ(ノースショア)からフェリーで北西に渡り、サンシャイン・コーストからバンクーバー島までをめぐる1週間の旅に出かけた。サンシャイン・コーストとは、いつも晴れ空のような語感だが、カナダにそんなところが?
調べると名の由来は20世紀初めにヨーロッパから来たパイオニアの一族が、夏のリゾート地「サンシャイン・ベルト」として地元を売り出そうとしたことに端を発しているらしい。気候とは関係なさそうだ。切り立つ山々と背中合わせの沿岸地帯はひなびた風景にもかかわらず、見どころもグルメも盛りだくさん。期待を上回る旅であった。
ギブソンズという街から入るサンシャイン・コーストは、本土とは陸続きなるも、海岸近くまで深い山並みが迫っていて陸路ではアクセスできないため、離島に来たような旅情を感じさせる。陸の南西側を走るハイウェイに沿って、リタイアメントおよびアーティスト・コミュニティーとなっており、観光客が立ち寄れるギャラリーも多い。さらに北西へ20分ドライブすると、シーシェルトというかわいらしい街があり、カフェで一服するのにちょうど良い。そこから西に進むとスマグラー・コーブという自然公園も。トレイルに入ると、やがて木々の間に入り江が覗く。案内板によれば、19世紀末から20世紀初めにかけて、中華系移民の上陸地や、酒の密輸船の避難所になっていたそう。シーシェルトでは、以前バンクーバーにいた友人宅へ。夫と共に海を見下ろす家を2軒続きで有しており、1軒はAirbnbで貸し出している。「家を売ったら放浪の旅に出て、スイスで安楽死したい」と豪語する彼女。さすが元シェラトン・ホテル総支配人だけあって、受け身な私と違い、とことん将来を計画している。
翌日は北にドライブして、アールズ・コーブから再びフェリーに乗船。ソルテリー・ベイに着き、北西に30分ドライブすると、かつて木材で栄えた街、パウエル・リバーへ。宿は元裁判所兼刑務所で、陪審員室、裁判官室などと部屋に名前が付き、興味深い。
またフェリーに乗り、バンクーバー島ではキャンベル・リバーやパークスビルなどを再訪した。ピックルボールや食事を楽しみながら南下し、フェリー乗り場のあるナナイモでは、夕食にとベトナム・レストランに立ち寄る。
ベトナム移民の女性オーナーは幼い頃、難民として第3国を経てカナダに家族で移住。温かく難民を迎えてくれたカナダで、母親から教わった料理を出すレストランを兄妹で開く決意をしたのだそう。彼女の真摯な態度は店に反映されていて、思わず「本にしてみたら」と勧めた。