Home アメリカ生活 マイホーム売却編 ~シアト...

マイホーム売却編 ~シアトル不動産情報2021年版

マイホーム売却について、レラ& アソシエイツの三井まりこさんに聞く

売り手市場で高値のうちにマイホームを売りたい! 高く売るコツは?

物件を高く売るコツは、空間作りをいかに演出するか、そして、最大限の集客を目指してマーケティングを行うことです。整理整頓など、実はリモデルをするよりも家のコンディションを整えることが重要で、かなりの効果が期待できます。現在はほとんどの売り物件に「プリ・インスペクション」が添えられています。この事前家屋調査により指摘された箇所をあらかじめ修繕してある物件は、市場からも好印象で信頼を得やすく、「マルチプル・オファー」と呼ばれる複数買い付けを誘発でき、最小限の投資で最終価格への反映がかないます。

リビングルームのステージング例

また、当社を始め大手各不動産会社が提供している、売却のためのアップグレード費用を一時的に立て替える無料サービス(マーケット・プラス)にも注目が集まっています。売却利益から実費のみをあとで清算できるので、予算を絞らず高額なアップグレードや修繕を施し、物件価値を最大限に引き出せます。当社の場合、コンサルティングから見積もり、施工管理までワンストップで請け負い、投資額に対し平均2〜3倍、最高で5倍以上の利益還元となった案件もあります。手数料の値引きは通常、売り値の1〜2%ほどになりますが、それ以上の効果が得られると大変喜ばれています。

高値での売却に有効とされるステージングとは?

件の内見ではほとんどの場合、玄関に足を踏み入れて平均30秒から1分ほどで、買うか買わないかを判断されると言います。その「ファースト・インプレッション」に影響するのが、インテリアなどを整え、最大限の演出効果を引き出す「ステージング」であり、今や欠かせないものとなってきました。

ステージングのポイントは、ニュートラルさ。偏った演出は極力控えます。特徴的なフロアプランでは、ステージングで部屋の使い方のアイデアを提案できるなど、その効果はさまざま。住み続けながら売却を進める場合、手持ちの家具と合わせてステージングを施すことも可能です。

流行りの小道具は何といっても本とグリーン。本はちょっと寂しいスペースに広げて置いてみたり、カラフルなレシピ本でキッチンに色を添えたりと重宝します。手軽に配置できる観葉植物も写真映えにひと役買っています。2021年のトレンドとしては、これまでの白基調から、ビビッドなアクセントカラーが復活。黄色、ブルー、オレンジ、グリーンほか、ミッドセンチュリーモダンの流行もあってゴールドなども人気です。最近は「バーチャル・ステージング」と言われる写真で家具を埋め込んだデジタル合成もよく見かけますが、現場でのギャップに戸惑うことも。かえって印象を損ねてしまうこともあるので注意が必要です。

売却したい物件をマーケットに出すまでの流れ

1.コンサルティング

適切なマーケティングのご提案・価格検討
修繕や改善部分の確認

2.各種業者手配

相見積もり入手・手配
各種業者進捗状況管理
*Rella Market Ready PLUS

3.集客の空間づくり

整理整頓のお手伝い
家具売却のお手伝い
ハウスクリーニング手配

4.ホームステージング

無料ステージング
スポットステージング

5.メディア手配

HDR写真撮影
ドローン
3Dバーチャルツアー

6.プロモーション戦略

高品質マテリアル準備
フロアプラン作成
物件専用ウェブサイト作成
ソーシャルメディア

7.デジタルマーケティング

SNSウェブサイトへの提携、ローカルエージェントへのアプローチ

8.マーケットオン

エージェントとのフォローアップ
オファーレビュー

マイホーム売却のタイミングとして、2021年は売り時?

売り手市場が展開される今、人気エリアは半狂乱とも思えるくらいで、オファーの数が多いと50以上になるなど尋常ではありません。昨年末からは、ベルビューやシアトルの一部で、売り値より20万ドル以上の上乗せをしても契約に至らなかったと聞いたり、100万ドル級の物件の最終価格がひと晩で30%以上動くのを数件連続で目の当たりにしたりと、過熱ぶりにただ驚くばかりでした。しかし、これがバブル崩壊の予兆とは言い難く、まだ序章に過ぎないという感触も否めません。将来、ベイエリアのような高水準の不動産価値へ移行していくのではとも思案しています。

この時期に売り出すメリットとしては、たとえば住み替えや州外・国外への引っ越しまでに余裕が欲しい場合、クロージング後の数カ月間、引っ越しの準備が整うまで家賃を支払って住み続けられる「レント・バック」を条件に盛り込めたり、普段だったら売りづらい物件(主要道路脇、配線やフロアプランに問題を抱える物件など)であっても、価格設定によっては時間をかけずに売れたりすることが挙げられます。売り方次第ではリスクをコントロールしやすい時期と言えるでしょう。ただし、価格設定は慎重に行うことが大切です。

今年は市況の変化が早くに始まったこともあり、3月過ぎまでにはシアトル地域全体で一気に底上げされるとの予想もあります。買い手の変化を慎重に見極めることが必要です。

三井まりこさん

不動産の総合コンサルティング会社、レラ& アソシエイツ代表。レジデンシャル売買を専門に投資物件、賃貸管理を含め、ワンストップ・サービスで最適なアセットマネジメントを提案する。YouTubeチャンネル「シアトル住まいレシピ」にて、シアトルの最新不動産事情も発信中。取り扱いエリアはキング郡、スノホミッシュ郡、ピアース郡全般。


■Rella & Associates/John L. Scott Real Estate
425-765-8742
mariko@marikomitsui.com
www.rellaassociates.com


「私らしい暮らし」を応援!不動産Q&A