シアトル・シンフォニーによる
シネマ・コンサート
『ハリー・ポッターと死の秘宝』パート1
近年、オーケストラの生演奏と映画上映を組み合わせたシネマ・コンサートが注目を浴びています。6月27日から29日にかけて、ベナロヤ・ホールで『ハリー・ポッター』シリーズのシネマ・コンサートが開催されました。
取材・文:リー・ジャニス 写真:シアトル・シンフォニー提供
▲大画面のスクリーンとオーケストラの楽団員が並ぶステージが印象的だった
会場ロビーでは『ハリー・ポッター』のグッズが販売され、公演前からファンによる熱気に包まれていた。天井からは作品に登場する魔法学校の寮をモチーフにしたバナーが吊り下げられていたほか、設置されたフォトブースでは写真を撮ろうとする人で大賑わいだった。飲み物やフードを販売している売店を覗くと、主人公ハリーの額の傷の形があしらわれたカップケーキやハリーのペットの白ふくろうを模したライスクリスピーなど、作品を象徴するモチーフで飾られたデザートも販売。そのほかにもダークで大人っぽいデザインのTシャツも販売されており、筆者も思わず欲しくなった。
映画もオーケストラもどちらも楽しみだったが、開始前は「映画に集中できるかな……」と感じていた。しかし、映像と音楽が互いを妨げることなく、完璧に融合していることに感動!
作中で登場人物が身につけているスクールローブやマフラーをしてきたファンが多かった▼
映画上映後は観客によるスタンディング・オベーションが続き、一度は舞台袖に入っていった指揮者のジュリアン・ペリカーノ氏が作中に登場する寮「ハッフルパフ」の生徒が愛用するマフラーをつけて再び登場。その姿に、会場内は最後にもうひと盛り上がり見せた。本作は何回か観たことがあり内容はよく覚えていたが、オーケストラの生演奏が加わることで映像の美しさがより引き立てられ、作品の世界観に引き込まれた。当日は会場を離れても余韻が冷めず、『ハリー・ポッター』のサウンドトラックを聴き、作品の幻想的な世界観に浸りながら帰った。自宅では味わえない没入感を楽しめるシネマ・コンサートを、ぜひまたベナロヤ・ホールで体験したい。
10月31日から11月2日に、続編の『ハリー・ポッターと死の秘宝』Part2が同ホールにて上映予定だ。今回残念ながら見に行けなかったハリーポッターファンやシネマ・コンサートを体験したいという人は特に必見。ちょうど日程がハロウィンに被ることからも、コスチュームを着て鑑賞するのもよいだろう。
場所:Benaroya Hall
200 University St., Seattle, WA 98101
料金:$53~ ※変更の可能性あり。チケット販売は7月27日(土)11amより開始
問い合わせ: ☎️206-215-4700
詳細: www.seattlesymphony.org