Local Tide
ローカル・タイド
パシフィック・ノースウエストで取れる海の幸のおいしさを、多くの人に知ってもらうことに情熱を注ぐ、ローカル・タイド。フォトジェニックな食事と店内を体感しに、一度は足を運びたい新店です。
取材・文:河野 光
401 N. 36th St., #103, Seattle, WA 98103
営業時間:火〜土 11am〜8pm、日11am〜4pm
定休:月
206-420-4685
www.localtide.com
個性的なブティックやカフェ、レストランが多く並び、和やかな空気の流れるフリーモントはシアトル市内で人気のエリア。このお気に入りの街にひとつだけ惜しい、と思う点がある。それはシーフード・レストランが少ないこと。そんな不満を解消してくれたのが、パイク・プレース・マーケットでのポップアップ営業を経て、2020年夏にオープンを果たしたローカル・タイドだ。ミニマルでデザイン性の高いロゴが目を引くスタイリッシュな外観、店内奥まで続く広々とした清潔感のあるオープンキッチンは好感度大。
同店で筆者が味わった料理の一部を紹介していこう。まず「シュリンプ・トースト」は、タイ風揚げパン。パンにエビのすり身を載せて油で揚げたスナック感覚のひと皿だ。ペースト状というよりはゴロゴロとした食感が残るすり身は、エビの存在感抜群。そこに豚のひき肉が加わりマイルドなコクも。自家製のチリソースと甘めのマヨネーズをプラスすれば、パンチが利いたジャンク感がたまらない。
メインにはふたつの品を注文した。名前からはどんな料理か想像が付きにくい「ホーム・フライズ」は、ホクホクに揚がった皮付きジャガイモの上に、銀ダラのスモークと玉ネギのピクルス、ディルが散りばめられた、なんとも華やかで目にもおいしいひと品。手作りの具材ひとつひとつが生かされ、温かいポテトに冷たいタラやピクルスのコントラストが面白い。小さくいちょう切りにされた皮付きレモンの苦味で口の中がリセットされるので、なかなかのボリュームも飽きずに食べられる。次に「サーモン・BLT」。BLTと言えばベーコン、レタス、トマトがお決まりだが、さらに分厚いスモークサーモンが! カリカリベーコンが脂肪分少なめのソッカイサーモンとよく合い、新しい発見。トーストしたサワー・ドウ・ブレッドでダイナミックに食材を挟み込んだサンドイッチは、大きな口で豪快にかぶりつきたい。
サステナブルな魚でお腹は満たされ、地元密着型の店を応援できて心も満たされる。全メニュー、テイクアウトが可能。店内奥では持ち帰り用のパントリーの販売も行っている。仕入れ状況に応じて特別メニューもあるので、SNSをフォローして目を光らせておこう。隣り合うアスラン・ブリューイングと中でつながるため、こちらのタップルームからローカル・タイドの食事メニューを注文し、ビールと共に楽しむこともできる。